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タキ9900形の形式解説

私有貨車

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タキ9800形
タキ10000形

 番号
解説


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形式編5
形式編7

●積荷
構造

入口


【概要】
 ガソリン専用車初の35トン車で、日本車両のオリジナルである。タキ50000形が導入した魚腹形(F5s)タイプ異径胴タンク体と、新たに開発したフレームレス構造を組合せることで、軽量化と車長短縮の要求を同時に達成した。
 本形式とタキ9800形石油類専用車、また化成品用車2形式を合わせて99系と通称する。
 先行形式はタキ3000形30トン車で、これの拡大版である。
 対抗形式は汽車会社が開発したタキ9750形(10系タンク車)がある。
 後継形式はタンク材質を耐候性高張力鋼に変更し、異径胴を製造の容易な葉巻形としたタキ35000形である。

【車歴】
 昭和37〜41年に9900〜9999,19900〜19999,29000〜29999,39900〜39998,,49900〜49999,59900〜59945の545両が日車(支店・本店)・三菱・川崎・日立・新潟・富士重・東急・帝国・飯野・近畿・富士車で製作された。39999は欠番である。

【外観と構造】
 設計比重は0.73・タンク容積は47.9〜48.4m3である。
 タンク形態はタキ50000形から導入したF5s形異径胴で、ドーム付である。タンク材質は普通鋼で、内面は亜鉛系防食塗料を塗布したものもあった。
 タンク寸法は両端直径2,050mm・長さは11,720〜11,790mmである。ドームは直径1,700mmと太く、メーカーにより形状が異なるため、その識別に利用される。
 タンク受台はフレームレスのため、台枠と一体となっている。

【荷役方式】
 マンホールから入れ、吐出管から出す通常の上入れ下出し方式である。

【下回り】
 フレームレス構造を採用したため、台枠は両端しかなく、中梁はスタブ状でタンク太径部と結合されていた。台枠長さは12,520mm・BC間距離は9,220mmである。枕梁両側にはジャッキ受を持つが、製造初期の車両は後に標準化されたものより小型であった。
 ブレーキ装置はKD254形空気+手だが、タキ59922〜59941はKSD254−305形積空を装備した。台車はTR41Cだが、雨水対策として晩年はTR209に履き替えた車両が多い。

【主な変形車】
1.試作車 タキ9900,9901
 ドーム小判形、タンク受台大形。
2.北海道形(後天的改造)
ドーム頂部に補助踏板を増設した車両。後に転属で本州にも出現した。
3.雨除板追加(後天的改造)
台車軸受への雨水侵入防止のため改造。担当工場により種々の形態がある。


タキ9900


           タキ9917


タキ9999


         タキ19921

 
          タキ19941

 
タキ39939


タキ59922


         タキ59942


タキ9900形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
9900,9901 S37 日車本店 日本石油KK
9902〜9913 S37 日車本店 日本石油KK
9914〜9927 S37 日車支店 日本石油KK
9928〜9937 S37 日車本店 モービル石油KK
9938〜9947 S37 日車本店 エッソスタンダート石油KK
9948〜9957 S37 三菱 三菱石油KK
9958〜9961 S37 三菱 シエル石油KK
9962〜9969 S38 日車本店 大協石油KK
9970〜9980 S38 日車本店 モービル石油KK
10 9981〜9987 S38 日車本店 亜細亜石油KK
11 9988〜9992 S38 三菱 三菱石油KK
12 9993〜9999,19900〜19907 S38 川崎 亜細亜石油KK
13 19908〜19919 S38 日車本店 日本石油輸送KK
14 19920〜19926 S38 日車本店 亜細亜石油KK
15 19927〜19939 S38 日車本店 シエル石油KK
16 19940,19941 S39 日立 東亜石油KK
17 19942〜19949 S39 日立 日本陸運産業KK
18 19950〜19953 S39 川崎 亜細亜石油KK
19 19954〜19956 S39 日車本店 亜細亜石油KK
20 19957〜19972 S39 日車本店 日本石油輸送KK
21 19973〜19982 S39 日車本店 モービル石油KK
22 19983〜19987 S39 日車本店 シエル石油KK
23 19988〜19990 S39 三菱 シエル石油KK
24 19991,19992 S39 新潟 シエル石油KK
25 19993〜19997 S39 新潟 日本石油KK
26 19998,19999,29900〜29902 S39 富士重 日本石油KK
27 29903,29904 S39 富士重 出光興産KK
28 29905〜29909 S39 富士重 日本鉱業KK
29 29910 S39 日車本店 石油荷役KK
30 29911 S39 日車本店 出光興産KK
31 29912〜29918 S39 東急 東亜石油KK
32 29919〜29928 S39 帝国 日本陸運産業KK
33 29929〜29938 S39 日車本店 日本石油輸送KK
34 29939〜29948 S39 日車支店 日本石油輸送KK
35 29949〜29951 S39 飯野 出光興産KK
36 29952〜29961 S39 帝国 丸善海運KK
37 29962〜29969 S39 日車本店 大協石油KK
38 29970〜29974 S39 三菱 三菱石油KK

39

29975〜29981 S39 富士重 大協石油KK
40 29982〜29999,39900,39901 S39 日車本店 日本石油輸送KK
41 39902〜39911 S39 日立 日本石油輸送KK
42 39912〜39916 S39 富士重 日本石油KK
43 39917〜39922 S39 三菱 日本石油KK
44 39923〜39931 S39 日車支店 シエル石油KK
45 39932〜39934 S39 富士重 シエル石油KK
46 39935〜39937 S39 新潟 シエル石油KK
47 39938,39939 S40 東急 エッソスタンダート石油KK
48 39940〜39959 S40 日車本店 日本石油輸送KK
49 39960〜39969 S40 日車支店 日本石油輸送KK
50 39970〜39974 S40 日車本店 石油荷役KK
51 39975〜39978 S40 富士重 シエル石油KK
52 39979〜39988 S40 日車本店 ゼネラル物産KK
53 39989〜39991 S40 新潟 日本石油KK
54 39992〜39995 S40 三菱 日本石油KK
55 39996〜39998 S40 川崎 日本石油KK
56 49900,49901 S40 帝国 丸善海運KK
57 49902,49903 S40 近畿 丸善海運KK
58 49904〜49912 S40 富士車 丸善海運KK
59 49913〜49922 S40 日車支店 日本石油輸送KK
60 49923〜49927 S40 川崎 日本石油輸送KK
61 49928〜49942 S40 日車本店 日本石油輸送KK
62 49943〜49947 S40 日立 シエル石油KK
63 49948〜49964 S40 日車本店 シエル石油KK
64 49965〜49973 S40 富士重 シエル石油KK
65 49974〜49982 S40 三菱 シエル石油KK
66 49983〜49985 S40 東急 エッソスタンダート石油KK
67 49986 S40 川崎 日本石油輸送KK
68 49987〜49991 S41 新潟 日本石油KK
69 49992〜49999,59900〜59907 S41 日車本店 日本石油KK
70 59908〜59912 S41 日立 日本石油KK
71 59913〜59916 S41 三菱 日本石油KK
72 59917〜59921 S41 富士車 日本石油KK
73 59922〜59941 S41 日車本店 ゼネラル物産KK
74 59942〜59944 S41 東急 日本陸運産業KK
75 59945,59946 S41 日車支店 石油荷役KK

【形式編6】070615作成R4BX2、090126R4BY。