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タキ10000形の形式解説

私有貨車

 形式
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タキ9900形
タキ10100形

 番号
解説


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形式編6
形式編8

積荷
構造

入口


【概要】
 35トン積の石油類専用車で、タキ1500・9800形に続いて製作された。汽車会社のオリジナルで、タキ9750形ガソリン専用車の石油類版だが、こちらが一般化した。
 本形式とタキ9750形ガソリン専用車、またその派生形式を合わせて10系と通称する。
 先行形式はタキ1500形35トン車。対抗形式は日車が開発したタキ9800形(99系タンク車)がある。
 後継形式はタンク材質を耐候性高張力鋼に変更し、製造の容易な葉巻形異径胴を採用したタキ45000形である。

【車歴】
 昭和38〜42年に10000〜10083の84両が汽車・新潟・東急・川崎・富士車で製作された。

【例外】
 以下の3両は特異な事情で外観・構造が一般車と大きく異なるため、本解説から除いた。
1.タキ10063,10064
 タキ9750形として製造中の車両を専用種別変更したため、タンク体は高張力鋼製のC3s異径胴で、長さも約0.8m短い。
2.タキ10084
 タキ35000形を改造した外部加熱管の試作車で、F3形異径胴タンク体を持ち、便宜上本形式に編入されたが、実態はまったくの別物である。

【外観と構造】
 設計比重は0.85・タンク容積は41.2〜42.0m3である。
 タンク形態はドーム付の直円筒形で、タンク材質は普通鋼である。
 タンク寸法は直径を2,200mmと太くしたため長さは11,230〜11,304mmと短い。ドームは一部を除き小判型である。
 タンク内部には蒸気加熱管があり、片側の鏡板には点検蓋が設置されている。タンク受台は帯金方式であった。

【荷役方式】
 マンホールから積込み、吐出管から降ろす通常の上入れ下出し方式である。

【下回り】
 台枠は鋼板をハット形にプレス整形した中梁を用いた10系特有の側梁省略形台枠で、長さは12,000mm・BC間距離は8,700mmである。 ブレーキ装置は10073迄がKD254形空気+手、10074〜10083はKSD254−305形積空+手である。台車は全てTR41Cである。


汽車東京製のトップ 10000


           川崎製で円筒形ドーム 10024


東急製 10032



 新潟製 10049


汽車東京製で丸善向 10048


       変形車 10064

 
         積空ブレーキ装備車 10083


タキ10000形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
10000〜10009 S3805〜3806 汽車東京   昭和石油KK
10010〜10014 S3812 汽車東京 日本陸運産業KK
10015〜10017 S3903 新潟 昭和石油KK
10018,10019 S3902 東急 昭和石油KK
10020〜10022 S3903 汽車東京 昭和石油KK
10023,10024 S3903 川崎 昭和石油KK
10025〜10027 S3910 東急 日本陸運産業KK
10028〜10042 S3911 東急 日本陸運産業KK
10043〜10045 S3910 汽車東京 出光興産KK
10 10046〜10048 S3910 汽車東京 丸善海運KK
11 10049〜10053 S3912 新潟 日本陸運産業KK
12 10054,10055 S4008 汽車東京 日本陸運産業KK
13 10056 S4011 東急 昭和石油KK
14 10057〜10059 S4011 汽車東京 昭和石油KK
15 10060 S4011 富士車両 昭和石油KK
16 10061,10062 S4012 川崎 昭和石油KK
17 10063,10064 S4104 汽車東京 丸善海運KK
18 10065〜10073 S4201 東急 日本陸運産業KK
19 10074〜10083 S4211 東急 共同石油KK
20 10084 S5402 日車▲ タキ35000形 36104 日本石油輸送KK

【形式編7】070626作成R4BX2、080120ロット表修正+タキ10032追加、080907ロット表R3、081203R4B。