吉岡心平のマーク

タキ9900形19921

私有貨車

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タキ9800形
タキ10000形

 番号
解説

タキ9999
タキ19941

 ページ
索引

特別編256
特別編258

●積荷
構造

入口


 佐々木さんのリクエストは、亜細亜石油KK所有のタキ9900形だ。

 最初に、亜細亜石油KK(T)の生い立ちについて解説しておこう。同社は日本交通KKが自動車燃料の自己調達を目的に、昭和27年設立した会社である。昭和28年に営業を開始し、翌29年からアウルガソリンの販売をスタートした。私有貨車としては昭和31年3月に車籍編入されたタム500形2834が第一号車であった。
 その後、スエズ動乱に伴い経営が悪化し、昭和35年11月に北日本石油KKと合併し、新亜細亜石油KKに改組されたが、社名は昭和37年12月に再び亜細亜石油KK(U)に戻った。更に昭和39年11月に「近代的イメージを強調するため(同社社史による)」、カタタナ書きとしたアジア石油に改称した。
 そして昭和41年8月、民族系石油会社の大同団結により設立された共同石油KKに引き継がれ、同社は発展的に解消されたのである。
 閑話休題、亜細亜石油KK所有のタキ9900

形は、亜細亜石油KK(U)時代に製作された5ロット36両である。
9981〜9987   昭和38年9月日車本店
9993〜9999,19900〜19907
             昭和38年11〜12月川崎
19920〜19926 昭和38年12月日車本店
19950〜19953 昭和39年6月川崎
19954〜19956 昭和39年4月日車本店

 写真のタキ19921は、昭和38年12月日車本店製で、当時同社が製作したタキ9900形としては標準的な外観・構造で、どこにも変わった点は見当たらない。

 所有者は亜細亜石油KK・常備駅は新興であった。所有者は昭和39年12月にアジア石油KK、昭和41年8月に共同石油KKと変遷したが、常備駅は一貫して新興であった。大黒町にあった製油所からのタンカートレインが、産業道路を横切って新興駅に到着する姿も、今は昔の思い出である。昭和61年4月に廃車となった。


■主要諸元
製造年   昭和38年12月
製造所   日車本店
設計比重 0.73
タンク容積  48.0m3
●上廻り

タンク形態 魚腹(F5s)形ドーム付
タンク材質 普通鋼
タンク板厚 胴板9・鏡板12mm
タンク内面 ザップコート塗装
タンク両端直径 2,050mm
タンク中央直径 2,500mm
タンク長さ 11,720mm
●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式
●下廻り
台枠形式    フレームレス構造
台枠長さ   12,520mm
BC間距離  9,220mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KD254形
台車      TR41C形

タキ9900形19921の写真

【写真1257】 タキ9900形19921 P:吉岡心平所蔵


【特別編257】020824作成、021204リンク変更、040910R4、050414R4A、050908リンク追加、070612リンク
変更、070829R4A2、100711R4B、130906諸元追加+R4C。