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タキ9900形9900

私有貨車

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タキ9800形
タキ10000形

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解説


タキ9912

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特別編160
特別編162

●積荷
構造

入口


 今回の特別編は、最近HOの模型発売で、人気がブレークしたタキ9900形のうち、試作車について解説する。

 タキ9900と9901は、タキ9900形35トン積ガソリン専用車の試作車として昭和37年3月日車本店で製作された。わが国初のガソリン積35トン車、初めてのフレームレスタンク車など、色々な点でナンバーワンの記録保持車であった。

 外観・構造は、日車本店がタキ50000形で確立したF5sタイプ異径胴に、三菱が運輸省からの補助金を得て研究していたフレームレス構造を組合わせたものであった。このため99系タンク車は、日車本店と三菱の製作実績が、他形式の場合より大きくなっている。
 さてタキ9900と01は、試作車としてタンク受台やドーム形状が異なっていた。フレームレスタンク

車におけるタンク受台は、タンク体と台枠とを一体化するキーパーツである。そこで試作車ではタンク体と受台の接触面積を増し、強度面で余裕を持たせた設計とした。ドームはタキ50000形のものをそのまま小型化したため小判型となったが、容積の点から直線部分が短く、一見しただけでは判別は難かしい。
 量産車では、受台は従来のタンク車並みのサイズに戻り、ドームは製作の容易な円筒形のもの(所謂タマネギドーム)にそれぞれ変更された。

 所有者は日本石油KK・常備駅は名電築港であった。初期に製作された日車本店製が名電築港、日車支店製は隅田川に常備されたのは、メーカーでの検査・保守の便を図ったためと思われる。その後、昭和41年1月常備駅名は汐見町に変更された。昭和55年3月本輪西に異動し、北海道内で使用されたが、平成7年5月に廃車となった。


【特別編161】020202作成、020824リンク追加、021204リンク変更、040327R4、050414R4A、050908リンク
追加、070612リンク変更、070629R4A2、090111R4BY。

タキ9900形9907と9900の写真

【写真1161の1】 タキ9900形9907と9900 昭和61年7月29日 本輪西駅にて P:吉岡心平

手前が量産車で、奥が試作車。

タキ9900形9901の写真

【写真1161の2】 タキ9900形9901 昭和61年7月29日 本輪西駅にて P:吉岡心平

受台部分の違いは判り易いが、ドームが小判型なのは識別困難か。