タキ１１５００形の形式解説

【概要】
　４０トン積セメント専用車で、圧送式荷役に対応したエアスライド方式粉体タンク車である。

【車歴】
　昭和４３〜４９年に１１５００〜１１５９９，１１１５００〜１１１５７３（欠番有り）の１７３両が日車支店・日立・川崎・富士車両で製作された。

【外観と構造】
　荷重と専用種別はタキ１９００形と同一だが、加圧空気で積荷を輸送する圧送式荷役に対応したため、タンク体は内圧上昇に耐えるように円形断面を採用している。 　外観と構造はメーカーによりまちまちで、バラエティに富んだ形式としてファンの人気も高い。 　台枠長さは日立製の一部を除き１０，０００ｍｍ、ブレーキはＫＳＤ形積空、台車は１１１５４８迄がＴＲ４１Ｃ、１１１５５０〜１１１５５９はＴＲ４１Ｇ、１１１５６０以降はＴＲ４１Ｅであった。

●日車支店・Ｆ３形タンク体
　１１５００〜１１５０３，１１５３８〜１１５４２，１１１５３５，１１１５３６の４ロット１１両で昭和４３〜４７年製。中央部に短い円筒部を持つＦ３形異径胴で、所有者は富士セメントＫＫ、豊国セメントＫＫ、そして小野田セメントＫＫであった。

●日車支店製・Ｃ３形タンク体
　１１５０８〜１１５１１の４両で昭和４３年製。タキ３５０００形に似た葉巻形のタンク体が特徴。所有者は豊国セメントＫＫである。

●川崎製
　１１５１２，１１５５９，１１５６５〜１１５７３，１１５８０・・・１１１５１５，１１１５２０〜１１１５３４，１１１５３７〜１１１５７３の１４ロット９８両で昭和４３〜４９年製。同社製のタキ１９００形と同様、のっぺりとしたタンク体だが、断面が円筒形のＦ３形異径胴である。所有者は住友セメントＫＫ・日本セメントＫＫ・敦賀セメントＫＫで設計比重は１．２５、タンク寸法はすべて同一である。台車とブレーキシリンダ径は製造時期により異なる。

●日立製
　１１５０４〜１１５０７，１１５１３〜１１５１８，１１５４３〜１１５４５，１１５５６〜１１５５８，１１５６０〜１１５６４，１１５７４〜１１５７９，１１１５１６〜１１１５１９の８ロット３１両で昭和４３〜４７年製。円錐形を中央で合わせたＦ２形タンク体を持ち、外周に４本の補強環がある。所有者は富士セメントＫＫ・電気化学工業ＫＫ・住友セメントＫＫで、比重は前者は１．０４、後二者は１．２５でタンク直径が異なる。前者は本形式で唯一全長が１０，３００ｍｍ。

●富士車両製
　１１５１９〜１１５３７，１１５４６〜１１５５５の２ロット２９両で昭和４４〜４５富士車両製で、外観・構造は日立製に似ている。すべて宇部興産ＫＫ向。

日車支店製（Ｆ３形異径胴）　１１５０３

　　　　　　　　日車支店製（Ｃ３形異径胴）　１１５１１


日立製　１１５１７

富士車両製　１１５２０

日車支店製　タキ１１５３８

富士車両製　１１５５０

日立製　１１５５７

川崎製　１１５６７

　
川崎製　１１１５１４　　　　　　　日車製　１１１５３５

　
川崎製　１１１５４８　　　　　　　川崎製　１１１５７０