吉岡心平のマーク

タキ11600形11600

私有貨車

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タキ11500形
タキ11650形

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第28週
第30週

積荷
●構造

入口


 今回取り上げたタキ11600形は長期留置中ながらしっかり生き延びているのは、大変喜ばしいことだ。

 タキ11600は35トン積プロピレングリコール専用車で、昭和43年7月新潟で製作された。一形式一両で、昭和34年に作られたタム7000形15トン車の増備に当たる。

 設計比重は1.03・タンク容積は33.9m3である。タンク体はドームレスの直円筒形で、直径は2,050mm・長さは10,770mmであった。材質は積荷の純度保持のためステンレス製である。タンク受台は帯金方式で、ドームレスタンク体との組合せは珍しい。
 荷役方式は上入れ下出し方式で、吸湿性の強い積荷のため、荷卸し時に流入する空気からの水分混入を防止すべく、タンク上部には乾燥剤の入った乾燥筒があった。

 台枠は通常の平台枠で、長さは10,800mmであった。ブレーキは片側+積空、台車はTR41Cであった。

 落成時の所有者は安宅産業KK・常備駅は須賀で、昭和49年頃に王子に異動した。用途は同社が販売を担当していた旭電化製のプロピレングリコール輸送であった。昭和52年10月、安宅が伊藤忠商事KKへ吸収されたため、同社所有・田端操駅常備となったが、昭和55年10月の須賀駅への異動の頃には余剰化していたようだ。
 昭和56年10月、日本陸運産業KKに移籍し、越中島駅常備となってからは、エチレングリコール輸送に二度の勤めを果たすことになった。昭和62年4月には、専用種別も「エチレングリコール」に変更され、本形式のシンボルだった乾燥筒も撤去された。
 その後、再度の余剰化で長期留置となり現在に到るが、三度目の復活はあるのだろうか。


●同一専用種別 タム7000形7001 S3408新潟製、15トン積の2軸車。


■主要諸元
製造年   昭和43年7月
製造所   新潟
設計比重 1.03
タンク容積 33.9m3
●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドームレス
タンク材質 ステンレス鋼
タンク板厚 胴板6・鏡板8mm
タンク直径 2,050mm
タンク長さ 10,770mm
付帯設備 吸湿装置
●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式
●下廻り
台枠形式   平形
長さ      10,800mm
BC間距離  7,500mm
留置ブレーキ 両側
空気ブレーキ KSD203−254形積空
台車      TR41C形

タキ11600形11600の写真

【写真29】 タキ11600形11600 昭和49年4月18日 王子駅にて P:吉岡心平


【第29週】010318作成、020921本文修正、040529R4、050513リンク追加、070610R4A2、090602R4BY、130909諸元追加+R4C。