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タサ4500形の形式解説

私有貨車

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タサ4400形
タサ4600形

 番号
解説


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形式編41
形式編43

積荷
●構造

入口


【概要】
 酢酸ビニル専用車として初めて製作された形式。荷重は20トンで、後継は30トン積のタキ8700形である。

【車歴】
 昭和32〜39年に4500〜4509の5ロット10両が日立・三菱・富士重で製作された。

【積荷の性質】
 沸点72℃・比重0.93の香気ある無色引火性液体で石油化学製品の一種。用途は合成繊維(ビニロン)、酢酸ビニル樹脂・ポリビニルアルコール・各種ビニル系共重合樹脂の原料である。鉄イオンによる重合し変質するため、容器にはステンレス鋼を使用している。

【外観と構造】
 タンク体は直円筒ドーム付でステンレス鋼(SUS304)製。板厚は胴板6mm・鏡板8mmである。周囲には保冷のためキセを持つ。
 台枠は平形で台車はTR41Cである。

●日立製
 昭和32〜35年に4500〜4502,4504,4505,4506〜4508の3ロット8両と本形式の大半を占める。
 タンク直径は1,730mmと細く、このため台枠長さも10mを超える。

●三菱製
 昭和34年製の4503が唯一の存在。タンク直径は1,870mmと太く、外観はタキ2600形に酷似していた。

●富士重製
 昭和39年製の4509。所有者である電気化学では、昭和35年から30トン積のタキ8700形に移行したが、本車はタキ8709と一緒に製作された。また酢酸専用のタサ5202,5203もほぼ同時に製作され、外観も良く似ている。


日立製初期 4502


        三菱製 4503


日立製後期 
4506

●同一専用種別 タキ8700形 30トン積の後継形式。


タサ4500形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
4500〜4502 S3209 日立 電気化学工業KK
4503 S3411 三菱 日本合成化学工業KK
4504,4505 S3412 日立 昭和電工KK
4506〜4508 S3509 日立 昭和電工KK
4509 S3910 富士重 電気化学工業KK

【形式編42】091031作成R4B、110705リンク追加+R4C。