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タキ11000形の形式解説

私有貨車

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タキ10950形
タキ11200形

 番号
解説


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形式編20
形式編22

●積荷
構造

入口


【概要】
 35トン積の石油類専用車のうち、寒冷地でのC重油輸送用のため保温キセ付とした形式である。日車の開発で50系タンク車を短縮したような構造だが、軽量化のためタンク材質に当時では珍しい高張力鋼を採用した。
 対抗形式は汽車のタキ20000形10系タンク車、後継形式はタキ17000形17系タンク車である。

【車歴】
 昭和39〜43年に21ロット133両が日車本店・同支店・三菱で製作された。

【外観と構造】
 設計比重は0.88・タンク容積はロットにより異なり39.7〜40.4m3の範囲である。
 タンク形態はドーム付のF5sタイプ異径胴で、寸法は、両端直径2,050mm・中央直径2,500mm・長さは製造時期により異なり、ドーム直径は1,350mmと太い。タンク外周には保温のため厚さ100mmのグラスウール断熱材と薄鋼板製のキセ、内部には蒸気加熱管が設置されている。
 台枠は枕梁間の中梁を省略した11系タイプで、長さは11,220mm・BC間距離は7,920mm、ブレーキ装置は製造時期により異なり、台車はTR41Cである。

■初期形 11000〜11020
 タンク材質は高張力鋼(HT)でタンク長さは10,130mm。11000〜11007はセンタアンカが長い。全体としてタンク踏板は板・同手摺は低く、台枠は側梁両端部がチャンネルとなった11系標準タイプである。ブレーキ装置はKD形空気+手。

■中期形 11021〜11067
 タンク長さが10,250mmに延長された点が初期形と異なる。タンク踏板は積雪地での便を図り金網製を採用したロットもあるが、再び板製に戻るなど区分は複雑。日石輸送所有車は手摺高さが高くなり、車両限界に合わせて上部が内側に傾斜した。三菱製はキセ補強形状が異なる。ブレーキはKD形空気+手のまま。

■後期形 11068以降
 昭和42〜43年製で、35系の設計を取り入れた改良タイプで、タンク材質を耐候性高張力鋼(SPA)に変更した。タンク踏板は金網となり、手摺高さはユーザーにより2種類ある。台枠は両端をアングル製とした11系軽量タイプに変更され、ブレーキもKSD形積空+手となった。


        初期形 11005


初期形(日車本店製) タキ11013


中期形(三菱製) タキ11022


 中期形 タキ11041


中期形 タキ11066


後期形 タキ11111


タキ11000形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
11000〜11007 S3902 日車本店 日本石油KK
11008,11009 S3910 日車本店 石油荷役KK
11010〜11012 S3910 日車本店 大協石油KK
11013〜11017 S3912 日車本店 日本石油KK
11018〜11020 S3912 日車支店 日本石油KK
11021,11022 S4003 三菱 大協石油KK
11023〜11026 S4007〜4008 三菱 日本石油輸送KK
11027,11028 S4006 日車本店 日本石油輸送KK
11029 S4006 日車本店 シェル石油KK
10 11030 S4006 三菱 シェル石油KK
11 11031〜11040 S4009 日車支店 日本石油KK
12 11041 S4012 日車本店 シェル石油KK
13 11042〜11044 S4105 日車支店 日本石油輸送KK
14 11045〜11051 S4106〜4107 三菱 日本石油輸送KK
15 11052〜11067 S4109 日車本店 日本石油KK
16 11068〜11082 S4209 日車支店 日本石油KK
17 11083,11084 S4210 日車支店 シェル石油KK
18 11085〜11097 S4211 日車支店 日本石油輸送KK
19 11098〜11102 S4212 日車支店 大協石油KK
20 11103〜11119 S4304〜4309 日車支店 シェル石油KK
21 11120〜11132 S4310 日車支店 日本石油輸送KK

【形式編21】080227作成R4BX3、081231R4B、090201ロット表R3。