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タキ15800形の形式解説

私有貨車

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タキ15700形
タキ15900形

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解説


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形式編19
形式編21

積荷
●構造

入口


【概要】  35トン積のエチレングリコール専用車で、タキ6600形30トン車の後継形式。同時期に製作された対抗形式にタキ16600形があるが、両者はタンク材質が異なる。現時点では同専用種別の最終形式である。

【車歴】  昭和44〜58年に11ロット24両が日立・日車支店・三菱・日車本店・富士重で製作された。このうち最後の2ロット5両はタキ45000形の改造車である。

【積荷】  エチレングリコールは合成樹脂(PET)、合成繊維(テトロン)の原料となる粘稠無色液体で、吸湿性が高い。エチレンから合成されるため、コンビナートから繊維・樹脂メーカーに輸送される。設計比重は1.09〜1.12である。

【外観と構造】  タンク体は純度保持のためステンレス製で、粘稠な積荷のため、タンク形状に工夫が見られる。また同様な理由で缶体補強環はタンク外周に設置されている。  荷役方法は吐出管による下出し方式だが、積荷の吸湿性が高いため、駅頭荷役の場合はタンク内に流入する大気を除湿するため、乾燥剤を内蔵した吸湿箱を装備する。  台枠構造はメーカーにより相違するが何れも標準的なもので、特に見るべき点はない。

■日立製
 タキ15800,15801の2ロット2両で昭和44年製。傾斜1/100のV3タンク体を持つ。タンク塗色は銀。台枠は平形。

■日車製
 タキ15802〜15804、15806〜15809、15811〜15813の3ロット9両で昭和44〜46年製。ドームレスのS1形タンク体が特徴。タンク体は黒塗りである。台枠は日車軽量形。

■三菱製
 タキ15805,15810,15814〜15818の4ロット7両で昭和45〜46年製。  日本触媒所有の15814〜15816は傾斜1/50、他の日石輸送所有車は傾斜1/100のV3タンク体を装備。タンク体塗色は銀(地肌)。台枠は平形。

■改造車
 タキ15819〜15823の2ロット5両で昭和58年富士重改造。余剰化していたタキ45000形石油類専用車を転用改造したもの。新製したタンク体はドームレスのF3タイプ異径銅。台枠以下は種車のものを流用した35系標準台枠。台車も種車由来のTR41DS−12である。


        日車製 15804


事故復旧車 15813


 三菱製 15816


三菱製 15817


改造車 15822


タキ15800形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
15800 S4407 日立   日本石油輸送KK
15801 S4410 日立 日本石油輸送KK
15802〜15804 S4412 日車支店 三井物産KK
15805 S4511 三菱 日本石油輸送KK
15806〜15808 S4512 日車支店 三井物産KK
15809,15810 S4603 三菱 日本石油輸送KK
15811〜15813 S4604 日車本店 三井物産KK
15814〜15816 S4604 三菱 日本触媒化学工業KK
15817,15818 S4612 三菱 日本石油輸送KK
10 15819,15820 S5805▲ 富士重 タキ45000 45536,45537 日本石油輸送KK
11 15821〜15823 S5810▲ 富士重 タキ45000 45165,45167,45442 日本石油輸送KK

【形式編20】080201作成R4BX3、081224R4BY。