吉岡心平のマーク

タキ11000形11066

私有貨車

 形式
索引

タキ10950形
タキ11200形

 番号
解説

タキ11049
タキ11074

 ページ
索引

特別編382
特別編384

●積荷
構造

入口


 ようやくタキ11066の写真が見付かったので、タキ11000形の初期型について解説しよう。
 本形式は、一言で言ってC重油の輸送用としてタキ9800形を保温キセ付にしたものである。ところが保温材とキセによる自重アップで、そのままでは軸重がオーバーする。そこでタンク体に高張力鋼を採用して板厚を薄くし、自重を軽くした。
 ところが、このロジックでは台枠を追加した理由が判らない。キセの固定に台枠が必須とも思えないのだ。つまるところ、実績がなかった高張力鋼のフレームレス構造を嫌った為だったのだろうか・・

 タキ11066は11052〜67からなる16両ロットの一員として、昭和41年9月に日車支店で製作された。初期型では最後のロットである。

 タンク形状はタキ9800形に準じるが、ヘビーな油種を運ぶため設計比重が0.88と大きく、タンク長さは約20cm短くなった。タンク材質は高張力鋼(HT55)で、周囲には厚さ100mmのグラスウール断熱材と薄鋼板製のキセ、内部には蒸気加熱管が装備されていた。
 台枠は長さ11,220mmで、異径胴タンク体と中梁との干渉を避けるため、一年前に製作されたカマボコ形セメント車であるタキ9600形の台枠に酷似したものを、新たに採用している。

 所有者は日本石油KK・常備駅は本輪西だったが、本車はいつしか下松駅から越中島駅への機械油輸送に使用されるようになった。平成10年4月には日本石油輸送KKに移籍し郡山駅常備となった。平成14年6月に廃車となった。


■主要諸元
製造年   昭和41年9月
製造所   日車本店
設計比重  0.88
タンク容積  39.8m3
●上廻り
タンク形態 異径胴(F5s)形ドーム付
タンク材質 高張力鋼
タンク板厚 胴板6/9mm・鏡板8mm
タンク両端直径 2,050mm
タンク中央直径 2,500mm
タンク長さ  10,250mm
付帯設備  蒸気加熱管
遮熱装置  厚さ100mmグラスウール
●荷役方式
荷役方式  上入れ下出し式
●下廻り
台枠形式   11系標準
長さ       11,220mm
BC間距離   7,920mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KD254形空気
台車       TR41C

タキ11000形11066の写真

【写真1383】 タキ11000形11066 昭和49年4月13日 越中島駅にて P:吉岡心平


【特別編383】030522作成、040527R4、041103リンク追加、050425R4A、060625リンク追加、060625リンク
追加、070610リンク変更、070710R4A2、080227R4B、090823諸元追加、130831R4C。