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タキ10700形の形式解説

私有貨車

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タキ10600形
タキ10800形

 番号
解説


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形式編9
形式編11

積荷
●構造

入口


【概要】
 35トン積の希硝酸専用車でタキ8100形30トン車の拡大版。現時点での標準形式で、平成時代まで製作が続いている。

【車歴】
 昭和43〜平成5年に10700〜10755の56両が富士重・三菱・日車・富士車・川崎で製作された。他形式からの改造車はない。

【外観と構造】
 鉄鋼を腐食する希硝酸を輸送するため、タンク体にはステンレス鋼を使用する。なお我国で初めてステンレスをタンク体に使用したのも、希硝酸のタンク車であった。
 設計比重は1.32〜1.42と幅広いが、これはメーカーにより濃度が異なるためである。このためタンク容積は24.6〜26.5mと差がある。

 タンク体はステンレス(SUS304,304L)製で、形状はドーム付直円筒形ないしドームレス直円筒形(19〜25,48以降)であった。タンク寸法は直径は1,900〜1,950mm・長さは8,920〜9,850mmとロットによる差が激しい。熱絶縁が不要のためタンク体は裸で、タンク外部の塗色は規程により銀色である。また47と48の2両は、補強環をタンク外側に設置していた。
 荷役方式は空気圧による上出し方式で、所有者により配管の詳細は異なる。

 台枠はすべて平形で、軽量台枠は使用していない。長さは9,300〜10,900mmと幅広く分布する。ブレーキ装置は51迄がKSD形積空+両側、52以降はCSD形積空+手である。台車は34迄がTR41C(後にTR41DSに改造)、35〜47がTR41E、48〜51がTR225。52以降はTR213Cであった。

 
タンク帯金付 10704        三菱製 10709

 
       三菱製 10714      ドームレス 10720

 
 富士重製 10729        日車製 10730

 
準保安対策車 10740      ドームレス 10748


タキ10700形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
10700〜10703 S4305 富士重 日産化学工業KK
10704,10705 S4311 富士車両 宇部興産KK
10706 S4405 三菱 住友化学工業KK
10707,10708 S4510 富士車両 宇部興産KK
10709〜10711 S4512 三菱 住友化学工業KK
10712,10713 S4512 富士重 日産化学工業KK
10714,10715 S4512 三菱 住友化学工業KK
10716〜10718 S4602 富士重 住友化学工業KK
10719〜10725 S4607 三菱 旭化成工業KK
10 10726〜10729 S4606 富士重 日産化学工業KK
11 10730〜10733 S4802 日車 宇部興産KK
12 10734 S4810 富士車 宇部興産KK
13 10735〜10741 S4904 三菱 日本石油輸送KK
14 10742〜10746 S4908 三菱 日本石油輸送KK
15 10747 S4910 川崎宇都宮 日本化成KK
16 10748 S5103 川崎宇都宮 宇部興産KK
17 10749〜10751 S5106 三菱 三菱化成工業KK
18 10752,10753 H0502 富士重 日産化学工業KK
19 10754,10755 H0508 富士重 日産化学工業KK
20 10756 H0604 富士重 日産化学工業KK
21 10757,10758 H0608 富士重 日産化学工業KK
22 10759 H0701 富士重 日産化学工業KK

【形式編10】070726作成R4BX2、090115R4B。