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タキ8000形の形式解説

私有貨車

 形式
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タキ7950形
タキ8050形

 番号
解説


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形式編8
形式編10

積荷
●構造

入口


【概要】
 30トン積のホルマリン専用車でタム3050形15トン車の拡大版。タンク材質と熱絶縁の有無でさまざまなタイプに別れ、趣味的に見て興味深い形式である。
 後継形式はタンク体を大型化して荷重を35トンとしたタキ9700形である。

【車歴】
 昭和35〜44年に8000〜8027の28両が日立・三菱・富士重・汽車東京で製作された。なお8026,8027はタ580形の改造車である。

【外観と構造】
 本形式はタンク材質により大きく構造が相違するため、初めに全車共通となる事項を述べ、続いてタイプ毎の特徴を述べる。

●共通事項
 設計比重は1.08・タンク容積は27.7〜28.4m3である。
 タンク形態はドーム付の直円筒形で、寸法は1,870〜2,050mm・長さは8,790〜10,500mmとロットによる差が激しい。
 荷役方式は吐出管を用いた下出し方式を採用していた。
 台枠は平形で、長さは9,700〜11,300mmの範囲にあり、ブレーキ装置はKCないしKD254形空気+手、台車は一部を除きTR41Cであった。

●タイプ1・キセなし純アルミ製タンク体
 タキ8000〜8006の2ロット7両で昭和35,36年に日立・三菱で製作された。
 タンク材質は純アルミ製で、内部に皿形波除板を持ち、受台は純アルミ車特有の大型のもので個数は8個あった。タンク塗色は銀色(地肌)である。
 
 台枠は平型で長さは11,000-11,200mm、ブレーキ装置は手+空気、台車はTR41Cである。

●タイプ2・キセなしステンレス製タンク体
 タキ8011〜8020の5ロット10両で、昭和37〜39年に日立・富士重・三菱で製作された。
 タンク材質はステンレス鋼(SUS304)で、寸法はメーカーにより大きく異なる。タンク塗色は銀色(地肌)と黒の両方があった。

●タイプ3・キセ付ステンレス製タンク体
 タキ8007〜8010,8021〜8027の5ロット11両で、昭和36〜44年に三菱・汽車東京で製作された。
 タイプ2のタンク周囲に保温用のキセを追加したもので、タンク塗色は黒である。台車はタキ8027が種車のものを流用したTR41Bである。


タイプ1で日立製 8000


           タイプ1で三菱製 8002


 タイプ3で三菱製 8010

 
タイプ2 8013         タイプ2 8015


タイプ2で三菱製 8017

 
       タイプ3 8023         タイプ3 8026

 
         


タキ8000形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
8000,8001 S3503 日立     日本水素工業KK
8002〜8006 S3508 三菱 日本水素工業KK
8007,8008 S3603 三菱 三菱化成工業KK
8009,8010 S3607 三菱 三菱化成工業KK
8011 S3705 日立 東洋高圧工業KK
8012,8013 S3706 日立 日本水素工業KK
8014,8015 S3801 富士重 三井物産KK
8016,8017 S3907 三菱 住友化学工業KK
8018〜8020 S3907 富士重 三井物産KK
10 8021 S4109 三菱 三菱江戸川化学KK
11 8022〜8025 S4212〜4301 三菱 三菱江戸川化学KK
12 8026,8027 S4404 汽車東京▲ タ580 597,1585 三菱江戸川化学KK

【形式編9】070713作成R4BX2、080824ロット表R3、090110R4BY。