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タキ10000形10064 |
私有貨車 |
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●積荷 |
■入口 |
今回はりクエストにお答えして、タキ10000形の変形車を取り上げよう。 タキ10000形は35トン積石油類専用車で、「汽車型軽量35トン車」、即ち10系の代表形式である。日車の99系に対抗して誕生した汽車の10系タンク車だったが、ガソリン車版のタキ9750形が僅か19両と惨敗したのに対し、石油類のタキ10000形は84両と、そこそこの数が製作されている。タキ9750形が軽量化と車体長短縮のため高張力鋼製+C3s異径胴タンク体と苦労したのに対し、タキ10000形は普通鋼+直円筒タンク体と、無理のない設計が好まれたようだ。 タキ10064は10063と共に昭和41年4月汽車東京で製作された。このロットはタキ10000形 |
で唯一、タキ9750形量産タイプと同じC3s異径胴を採用したことで有名である。こうした珍車が誕生した理由は、タキ9750形9759、60(予定番号)として製作に着手後、ユーザーの意向で石油類専用車に変更したためだ。このためタンク材質は高張力鋼で、直径は2,300mmと標準車より100mm太く、連結器装置と干渉する両端部は、円錐形に絞り込まれていた。また台枠長さも11,220mmと、標準車より780mm短くなっている。 落成時の所有者は丸善海運KK・常備駅は浜五井であった。所有者は昭和41年10月に丸善石油KK、昭和61年5月日本石油輸送KKに異動したが、一貫して浜五井常備で、晩年はコスモ石油の輸送に充当されていた。平成7年5月に2両同時に廃車となった。 |
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●関連形式 タキ9750形9752 昭和40年汽車東京製のガソリン専用車でC3s異径胴装備。 |
■主要諸元 製造年 昭和41年4月 製造所 汽車東京 設計比重 0.85 タンク容積 41.2m3 ●上廻り タンク形態 直円筒(S1)形ドーム付 |
タンク材質 高張力鋼 タンク板厚 胴板6・鏡板8mm タンク両端直径 2,300mm タンク中央直径 2,500mm タンク長さ 10,520mm 付帯設備 蒸気加熱管 ●荷役方式 荷役方式 上入れ下出し式 |
●下廻り 台枠形式 10系特殊 台枠長さ 11,220mm 留置ブレーキ 手 空気ブレーキ KD254形 台車 TR41C形 |
【写真1173の1】 タキ10000形10064 昭和63年2月14日 村田駅にて P:吉岡心平
【写真1173の2】 タキ10000形10064 昭和63年2月14日 村田駅にて P:吉岡心平