吉岡心平のマーク

タキ10000形10064

私有貨車

 形式
索引

タキ9900形
タキ10100形

 番号
解説

タキ10061
タキ10068

 ページ
索引

特別編172
特別編174

●積荷
構造

入口


 今回はりクエストにお答えして、タキ10000形の変形車を取り上げよう。

 タキ10000形は35トン積石油類専用車で、「汽車型軽量35トン車」、即ち10系の代表形式である。日車の99系に対抗して誕生した汽車の10系タンク車だったが、ガソリン車版のタキ9750形が僅か19両と惨敗したのに対し、石油類のタキ10000形は84両と、そこそこの数が製作されている。タキ9750形が軽量化と車体長短縮のため高張力鋼製+C3s異径胴タンク体と苦労したのに対し、タキ10000形は普通鋼+直円筒タンク体と、無理のない設計が好まれたようだ。

 タキ10064は10063と共に昭和41年4月汽車東京で製作された。このロットはタキ10000形

で唯一、タキ9750形量産タイプと同じC3s異径胴を採用したことで有名である。こうした珍車が誕生した理由は、タキ9750形9759、60(予定番号)として製作に着手後、ユーザーの意向で石油類専用車に変更したためだ。このためタンク材質は高張力鋼で、直径は2,300mmと標準車より100mm太く、連結器装置と干渉する両端部は、円錐形に絞り込まれていた。また台枠長さも11,220mmと、標準車より780mm短くなっている。

 落成時の所有者は丸善海運KK・常備駅は浜五井であった。所有者は昭和41年10月に丸善石油KK、昭和61年5月日本石油輸送KKに異動したが、一貫して浜五井常備で、晩年はコスモ石油の輸送に充当されていた。平成7年5月に2両同時に廃車となった。


●関連形式 タキ9750形9752 昭和40年汽車東京製のガソリン専用車でC3s異径胴装備。


■主要諸元
製造年   昭和41年4月
製造所   汽車東京
設計比重 0.85
タンク容積 41.2m3

●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドーム付
タンク材質 高張力鋼
タンク板厚 胴板6・鏡板8mm
タンク両端直径 2,300mm
タンク中央直径 2,500mm
タンク長さ 10,520mm
付帯設備 蒸気加熱管
●荷役方式
荷役方式  上入れ下出し式
●下廻り
台枠形式   10系特殊
台枠長さ   11,220mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KD254形
台車      TR41C形

タキ10000形10064の写真

【写真1173の1】 タキ10000形10064 昭和63年2月14日 村田駅にて P:吉岡心平

タキ10000形10064の写真

【写真1173の2】 タキ10000形10064 昭和63年2月14日 村田駅にて P:吉岡心平


【特別編173】020228作成、020908リンク追加、030627リンク変更、040124R4、040717リンク追加、050223
R4A、070404リンク追加、070705R4A2、080907R4BY、120430諸元追加+R4C。