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タキ10150形の形式解説

私有貨車

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タキ10100形
タキ10200形

 番号
解説


 ページ
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形式編33
形式編35

積荷
●構造

入口


【概要】
 30トン積液化塩化ビニル専用車で、タキ5800形25トン車の後継形式。タンク材質に高張力鋼を用いて軽量化し、荷重の5トン増を勝ち取った。

 【車歴】
 昭和43〜54年に10150〜10192の15ロット43両が富士重・川崎・日車・三菱で製作された。

 【外観と構造】
 高圧ガスタンク車で、標準設計の対象車のため、個体差は少ない。
 設計比重1.22・タンク容積36.8m3で、タンク材質は高張力鋼、板厚で胴板は全車11mmだが、鏡板はロットにより相違する。タンク寸法は直径1,960・長さ12,570mmで、周囲には保冷用の厚さ75mmのグラスウール断熱材を装備していた。
 荷役装置は全てマンホール弁方式である。
 台枠は平形で、台枠長さ・BC間距離、そしてブレーキ装置と台車はロットにより異なる。

●タイプ1 片側ブレーキ
 10150〜10157の1ロット8両でS43年富士重製。このロットのみタンク鏡板の厚さは14mmと厚い。台枠長さは12,950mm・BC間距離は9,650mmで、ブレーキは片側+KE305形空気、台車はTR41Cである。

●タイプ2 両側ブレーキ
 10158〜10183の10ロット26両でS43〜46年製川崎・日車本店・三菱・富士重製。タンク鏡板はこれ以降12mmとなった。両側ブレーキとなった以外はタイプ1と同じ。なお10174,10175はAVブレーキ装備とされるが未確認。

●タイプ3 保安対策車
 10184〜10192の4ロット9両でS54年日車・富士重製。保安対策車となり、手ブレーキ・TR216A台車に変更された。このため台枠長さは13,500mm・BC間距離は10,200mmに延長され、空気ブレーキもレジンシューに合致するようKD254形に変更された。


タイプ1 10155


        タイプ2・川崎製 10160


タイプ2・富士重製 10183


タイプ3 10184


タイプ3 10187


タキ10150形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
10150〜10157 S4301〜4303 富士重 電気化学工業KK
10158,10159 S4312 富士重 電気化学工業KK
10160〜10162 S4312 川崎 三井東圧化学KK
10163〜10165 S4312 日車本店 三井東圧化学KK
10166,10167 S4404 川崎 日本石油輸送KK
10168,10169 S4404 川崎 旭硝子KK
10170〜10172 S4404 川崎 電気化学工業KK
10173 S4404 日車本店 日本石油輸送KK
10174,10175 S4404 三菱 日本石油輸送KK
10 10176〜10178 S4406〜4407 三菱 三菱商事KK
11 10179〜10183 S4602 富士重 セントラル硝子KK
12 10184〜10186 S5404 日車 日本石油輸送KK
13 10187,10188 S5404 日車 日本陸運産業KK
14 10189,10190 S5406 日車 日本石油輸送KK
15 10191,10192 S5406 川崎 旭硝子KK

【形式編34】090228作成R4B+ロット表を第221週から移動。