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タキ12200形の形式解説

私有貨車

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タキ12050形
タキ12300形

 番号
解説


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形式編32
形式編34

積荷
●構造

入口


【概要】 富士重工が開発した40トン積セメント専用車で、川崎のタキ1900・日立のタキ19000・日車のホキ5700の各形式に対抗して開発された。独自開発のため製造は富士重一社に限られている。

【車歴】 昭和44〜56年に12200〜12299,12700〜12733(12729〜12733には初代・二代あり)の16ロット139両が富士重で製作された。

【外観と構造】 本形式の特徴は富士重が独自に開発したフレームレス構造を採用した点にある。
 設計比重は1.17〜1.25・タンク容積は33.4〜34.2m3であった。タンク体は普通鋼製で、寸法は直径2,200mmで、長さ9,350mm、円筒断面の下半分を漏斗状に成型し、その下端に吐出口を設けた設計であった。
 荷役装置はエアスライド方式で、初期の車両は圧送式との併用を試みたが、後に撤去された。
 台枠は枕梁から端梁間に限られ、枕梁間はタンク体に複数の補強が設置されている。端梁間の長さは10,000mm、BC間距離は7,100(一部例外あり)mmであった。ブレーキと台車はロットにより異なる。

●タイプ1 試作形
 12200と12201の2ロット2両でS43〜44年製。12201は圧送式の併用を試みたが昭和45年に撤去された。外観面では、フレームレス部分の補強が量産形より多く、タンク受台より外側にも存在する。

●タイプ2 量産形・TR41C台車
 12202〜12241の5ロット40両でS46〜47年製。フレームレス部の補強は試作形より簡素となった。積込口と吐出口の形態は所有者によりまちまちである。

●タイプ3 量産形・TR41G台車
 12242〜12280の4ロット40両でS48年製。車体や荷役装置はタイプ2と同一で、台車とブレーキ装置が改良された。

●タイプ4 量産形・TR41E台車
 12281〜12299,12700〜12728の4ロット48両でS48〜49年製。走行性能改善と保守合理化のため、台車をTR41Eに変更した。ブレーキ装置もレジンシューに合わせてKSD180−254×250形に変更された。

●タイプ5 TR213C台車
 12729〜12733の1ロット5両で昭和56年製。7年ぶりの増備のため、TR225を飛び越して一挙にTR213C装備となった。なぜかBC間距離が7,100mmから6,700mmに短縮されている。
 所有者である日立セメントKKの都合により、昭和60年9月に国鉄車籍を離れたが、平成3年12月に再度車籍編入されたため、初代と二代時代とが存在する。


タイプ1・試作車 12200


タイプ2・量産車 12202
        タイプ2・量産車 12221


タイプ3・TR41G台車 12280


タイプ4・TR41E台車 12284


タイプ4・TR41E台車 12700


タイプ4・TR41E台車 12722


タキ12200形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
12200 S4404 富士重 小野田セメントKK
12201 S4312 富士重 日立セメントKK
12202〜12211 S4611 富士重 秩父セメントKK
12212〜12216 S4611 富士重 小野田セメントKK
12217〜12226 S4707 富士重 秩父セメントKK
12227〜12233 S4710 富士重 電気化学工業KK
12234〜12241 S4710 富士重 小野田セメントKK
12242〜12251 S4806〜4807 富士重 電気化学工業KK
12252〜12257 S4808 富士重 小野田セメントKK
10 12258〜12260 S4808 富士重 小野田セメントKK
11 12261〜12280 S4809 富士重 秩父セメントKK
12 12281〜12291 S4812 富士重 大阪セメントKK
13 12292〜12299,
12700,12701
S4811〜4812 富士重 電気化学工業KK
14 12702〜12708 S4910 富士重 小野田セメントKK
15 12709〜12728 S4911〜4912 富士重 電気化学工業KK
16 12729〜12733初代 S5607 富士重 日立セメントKK
17 12729〜12733二代 (S5607) 富士重 日立セメントKK

【形式編33】090130作成R4B、120917本文修正。