吉岡心平のマーク

タキ10150形10155

私有貨車

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タキ10100形
タキ10200形

 番号
解説


タキ10158

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第220週
第222週

積荷
●構造

入口


 タンク車の消長には化学工業の原料転換を契機とするものが多い。
 かつて電気化学では、八木原地区で自製したカーバイトと、近隣の関東電化からパイプラインで引いた塩素により塩化ビニルを生産していた。ところが石油化学の勃興で、価格的に優位なコンビナートからの液化塩化ビニルに転換することになり、作られたのが今回取り上げる車両達である。

 タキ10150形は30トン積液化塩化ビニル専用車で、昭和43〜54年に33両が製作された。タキ5800形25トン車の拡大版で、需要から見るともっと作られても良い筈だが、同時期に日石輸送がLPタムの転用車であるタキ5850形を大量に製作したため、これに邪魔された形になっている。

 タキ10155は10150〜57の一員として、昭和43年1月富士重で製作された。

 タンク体には、液化塩化ビニル専用車で初めて高張力鋼を採用した。使用圧力が低いため、板厚は胴板11mm・鏡板14mmと比較的薄い。なお本ロットの鏡板は他より厚く、これ以降製作された車両の鏡板は、全て12mm厚となっている。
 タンク寸法は直径1,960mm・長さ12,570mmで、直径の根拠はタサ5700形にしたものと思われる。タンク周囲には保冷用の厚さ75mmグラスウール断熱材と薄鋼板製のキセがあった。
 台枠は平形で、長さは12,950mm、ブレーキはKE形+片側、台車はTR41Cである。

 所有者は電気化学工業KK・常備駅は青海であったが、実際の運用は京葉地区から八木原だったようである。写真の10155を含むトップから7両は、満10才となる昭和52年12月に廃車となり、残る10157は同時期に信越化学に移籍したが、これも程なく廃車となった。


■主要諸元
製造年   昭和43年1月
製造所   富士重
ガス定数  1.22
タンク容積 36.8m3
●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形
タンク材質 高張力鋼(HT55)
タンク板厚 胴板11・鏡板14mm
タンク直径 1,960mm
タンク長さ 12,570mm
熱絶縁   グラスウール厚さ75mm
●荷役方式
荷役方式 マンホール弁式
●下廻り
台枠形式   平形
台枠長さ   12,950mm
BC間距離  9,650mm
留置ブレーキ 片側
空気ブレーキ KE305形
台車      TR41C形

タキ10150形10155の写真

【写真221】 タキ10150形10155 昭和49年1月12日 村田駅にて P:吉岡心平

この写真は吉岡写真CD−ROM第24巻に収録されています。


【第221週】041121作成R4、050223R4A、050509ロット表追加、050624リンク追加、070210ロット表R2、070727ロット表R3+R4A2、090220R4BY、090228ロット表を形式編34に移動、100926R4B、111002諸元追加+R4C。