吉岡心平のマーク

タキ10200形10200

私有貨車

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タキ10150形
タキ10250形

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[ロット表]


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特別編50
特別編52

●積荷
●構造

入口


 タキ10200形は昭和43年5月日車支店で2両製作された40トン積ガソリン専用車。「軸重による運用制限を受けずに大型化を狙った車両」と言う触れ込みだが、諸外国で試作されていた耐食アルミ合金製の石油タンク車を、わが国でも作って見たかったのが本音だろう。アルミ製のタンク体は高価なので、もとより量産する気は無かった。

 タンク材質は耐食アルミ合金として代表的なA5083で、タキ8400・8450形アルミナタンク車で実績のあるものだ。板厚は胴板が9ないし10mm・鏡板は12mmと普通鋼並である。タンク形状は使用例の稀なF5タイプ(魚腹形5体構成)となったが、これは容積を稼ぐためだろうか。同じ40トン車で、F3タンク体を持つタキ40000形と比較すれば、本形式が両端直径2,300mm・中央直径2,700mm・長さ11,740mmなのに対し、タキ40000形は両端直径2,100mm・中央直径

2,750mm・長さ12,066mmで、両端を太くした効果は明らかだ。タンク塗色は地肌のままで、巨大なタンク体と相まって日石タンク車群のシンボルであった。
 台枠は35系と酷似するが、側梁中央部はタキ9550形のような補強があり、台枠の幅も広い。長さは12,600mm・BC間距離は9,100mmであった。ブレーキは重量増のため積空+手となり、オーバーハング長(台車のセンターピンから台枠端までの長さのこと)は非対称とされ、手ブレーキ側が200mm長い。台車は通常のTR41Cであった。

 所有者は日本石油KK・常備駅は根岸で、タキ64000形と共に同駅の名物だった。昭和55年3月に北海道は本輪西へ異動し、島松・茶志内・旭川など道内各地へ運用されていたが、平成7年12月に2両同時に廃車となった。


■主要諸元
製造年   昭和43年5月
製造所   日車支店
設計比重 0.73
タンク容積 54.8m3
●上廻り
タンク形態 異径胴(F5)形ドームレス
タンク材質 耐蝕アルミニウム合金
タンク板厚 胴板9,10・鏡板12mm
タンク両端直径 2,300mm
タンク中央直径 2,700mm
タンク長さ 11,740mm
●荷役方式
荷役方式 上入れ下出し式
●下廻り
台枠形式   35系変形
長さ      12,300mm
BC間距離  9,100mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KSD254−305形積空
台車      TR41C形

タキ10200形10200の写真

【写真1051】 タキ10200形10200 昭和43年11月29日 高島駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】


【特別編51】010505作成、021209本文修正、030808写真変更+本文修正、040110R4、050413R4A、070609
R4A2、090226R4BY、100907R4C、130823諸元追加。