タキ１８６００形の形式解説

【概要】 　２５トン積の液化アンモニア専用車。同一荷重・専用種別には既にタキ４１００二代形があり、タンク材質も既に高張力鋼を使用していたが、ＬＰガスの世界でタキ２５０００形が誕生したことを受けて、同形式で開発された新機軸を導入した新世代のアンモニアタンク車として開発された。ＬＰガスと異なり、相変わらず熱絶縁を装備するため新鮮味に乏しいが、タンク内部の波除板廃止や高性能台車の採用など改良点が多い。

【車歴】 　昭和４５〜５７年に１８６００〜１８６９９，１１８６００〜１１８６２７の１２８両が川崎・日車（本店）・富士重で製作された。

【外観と構造】 　近代的な高圧ガスタンク車で、標準設計の対象車のひとつ。メーカーによるタンク体部分の差異はキセの外形程度で、主要諸元は全て同一である。 　ガス定数は１．８６・タンク容積は４６．８ｍ３である。 　タンク材質は高張力鋼製で、板厚は胴板１３・鏡板１４ｍｍ、寸法はタンク直径１，９６０×長さ１５，８９０ｍｍであった。 　荷役方式はマンホール弁方式である。 　台枠はすべて平形で、その長さは製造時期による保安対策の程度により異なる。ブレーキ装置と台車も同様である。

●タイプ１ 　１８６００〜１８６２０の１ロット２０両で昭和４５年川崎製。留置ブレーキは両側で台枠長さは１６，２００ｍｍ・ＢＣ間距離は１２，９００ｍｍと短い。台車は平軸受・鋳鉄シューのＴＲ２０７Ｂ。

●タイプ２ 　１８６２１の１ロット１両で昭和４６年日車本店製。ブレーキと台枠はタイプ１と同じだが、台車はコロ軸受・レジンシューのＴＲ２１１Ｂに変更され、ブレーキシリンダもＫＤ２０３に小型化された。

●タイプ３ 　１８６２２〜１８６２９の２ロット８両で昭和４９年日車、川崎製。準保安対策車となり台枠緩衝長を確保するため台枠長さが１６，８００ｍｍ・ＢＣ間距離は１３，５００ｍｍへと各々６００ｍｍ延長された。ブレーキ（両側＋ＫＣ２０３形空気）と台車（ＴＲ２１１Ｂ）はタイプ２から変化ない。

●タイプ４ 　１８６３０〜１８６６２の７ロット３３両で昭和５０〜５２年川崎・日車・富士重製。保安対策車で留置ブレーキは手となった。ブレーキはタイプ３と同一で、台車は１８６３０〜１８６３５はＴＲ２１１Ｂだが、１８６３６以降は内部のブレーキテコ寸法を変更したＴＲ２１１Ｂ−１を装備する。

●タイプ５ 　１８６６３〜１８６９９，１１８６００〜１１８６２７の１４ロット６５両で昭和５３〜５７年日車・富士重製。本形式の中核となるグループで、タイプ４の台車をＴＲ２１６Ｂに変更したもの。その他の点はタイプ４と同一である。

タイプ１（川崎製）　１８６１３

タイプ３（日車製）　１８６２２



タイプ４（川崎製）　１８６３０


タイプ４（日車製）　１８６５３

タイプ５（富士重製）　１８６８８


タイプ５（日車製）　１８６９７


タイプ５（富士重製）　１１８６１３