吉岡心平のマーク

タキ18700形18701

私有貨車

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タキ18600形
タキ18800形

 番号
ロット表


タキ18704

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第196週
第198週

積荷
●構造

入口


 数々の化成品タンク車を輩出した35系タンク車だが、純粋の酸・アルカリの輸送用の形式は少ない。今回はその中から、タキ18700形35トン積酢酸及び無水酢酸専用車を取り上げる。

 タキ18700形は昭和45〜51年に5両誕生したが、このうちタキ18700と01は昭和45年に日車支店で製作された。タキ3700形30トン車の拡大後継車だが、比較的低比重だったため、軽量化すべく35系の設計を活用したのだろう。

 タンク体は35系独特のC3タイプ異径銅で、耐食のためSUS316ステンレス製であった。寸法は両端直径1,850mm・中央直径2,300mm、長さ10,120mmで、周囲には厚さ100mmのウレタンと薄鋼板からなる保温キセが、内部にはSUS316L製の加熱管が各々設置されていた。

 荷役方式は酸・アルカリ専用車の通例として、空気加圧による上出し方式だが、ドームレスなのでドーム廻りの配管がなく、更にS字管もなかったので、一見しただけでは上出しとは判り難い。
 台枠は35系標準の中梁省略品で、長さはタンク体+800mmで設計されたため、10,920mmと半端だ。ブレーキ装置は両側+積空、台車はTR41Cであった。

 落成時の所有者は協和発酵工業KK・常備駅は防府であったが、4ケ月後の昭和45年10月には常備駅はそのままで内外輸送KK所有となった。写真はこの時期に撮影したもので、社紋が標記されていないのが面白い。昭和54年11月にダイセルKK所有・新井駅常備に移籍し、直後の昭和55年1月に会社名がダイセル化学工業KKと変わり、現在に至る。


■主要諸元
製造年   昭和45年6月
製造所   日車支店
設計比重 1.48
タンク容積 34.3m3
●上廻り
タンク形態 異径胴(C3)形ドームレス
タンク材質 ステンレス鋼(SUS316)
タンク板厚 胴板6・鏡板8mm
タンク両端直径 1,850mm
タンク中央直径 2,300mm
タンク長さ  10,120mm
熱絶縁   厚さ100mmウレタン
付帯設備 ステンレス製加熱管
●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式
●下廻り
台枠形式   35系標準
長さ      10,920mm
BC間距離  7,620mm
留置ブレーキ 両側
空気ブレーキ KSD203−254形積空
台車      TR41C形

タキ18700形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
18700,18701 S4506 日車支店 協和発酵工業KK
18702 S5106 富士重 内外輸送KK
18703,18704 S5111 富士重 日本石油輸送KK

タキ18700形18701の写真

【写真197】 タキ18700形18701 昭和50年2月28日 周防富田駅にて P:吉岡心平


【第197週】040606作成R4、050501R4A、051209ロット表追加、060714ロット表R2、070802R4A2、070820
ロット表R3、080927R4BY、130831諸元追加+R4C。