吉岡心平のマーク

タキ5400形の形式解説

私有貨車

 形式
索引

タキ5350形
タキ5450形

 番号
解説


 ページ
索引

形式編27
形式編29

積荷
●構造

入口


【概要】
 25トン積の液化塩素専用車でタム2300形15トン車をボギー車に拡大したもの。
 輸送単位拡大を目的に大手塩素メーカーが少数づつ試作したが量産には至らず、25トン車が本格化したのはタキ5450形の登場以降である。なお航路輸送区間は一便当りで航送可能な両数が制限されるため25トン車が有効であり、このため北海道曹達は早くから本形式を愛用した。
 後継形式は同じ25トン車ながら、タンク体を高張力鋼製として軽量化したタキ5450形である。

 【車歴】
 昭和32〜40年に5400〜5414の15両が三菱・日車本店・富士車両で製作された。

 【外観と構造】
 高圧ガスタンク車のため、タンク材質はボイラー用鋼板を用い、初期のものはSB42、後期のものはSB46をそれぞれ採用した。
 ガス定数は0.8・タンク容積は20.0〜20.2m3であった。
 タンク形状はメーカーにより異なり、日車本店製は細くて長いタンクで有名であった。
 荷役方式はマンホール弁方式である。
 台枠はすべて平形で、タンク体にあわせて寸法が異なる。
 ブレーキ装置はKE形空気+手、台車はTR41Cから、後に大半はTR41D、一部はTR41DSに改造された。

●三菱製
 5400〜5402,5406〜5410の6ロット8両で昭和32〜35年製。タンク材質はSB42で、板厚は胴板20mm・鏡板25mm、タンク寸法は直径1,843mm×長さ7,900mmと太くて短かく、後のタキ5450形の原型となったと言える。台枠長さも9,200mm・BC間距離は5,900mmとタンク体に合わせて短かいため、台車は第一次改造でTR4Dに改造された。
●日車本店製
 5403,5404,5411の2ロット3両で昭和32〜37年製。タンク直径が1,600mmと細く、このためタンク長さは10,400mmに達する。このため台車改造は実施されていない。
●富士車両製
 5405,5412〜5414の4ロット4両で昭和33〜40年製。全て北海道曹達KK所有で、タンク寸法は車両により異なる。最後の2両はタキ5450形と競作され、タンク材質もSB46に変わった。


日車本店製 タキ5404


三菱製 タキ5406


三菱製(航送用) タキ5409


富士車両製 タキ5412


富士車両製 タキ5414


タキ5400形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
5400 S3203 三菱 日本曹達KK
5401,5402 S3209 三菱 東洋曹達工業KK
5403,5404 S3206 日車本店 東亞合成化学工業KK
5405 S3302 富士車 北海道曹達KK
5406,5407 S3411 三菱 旭化成工業KK
5408 S3411 三菱 国策パルプ工業KK
5409 S3411 三菱 東亞合成化学工業KK
5410 S3511 三菱 東亞合成化学工業KK
5411 S3706 日車本店 日新電化KK
10 5412 S3706 富士車 北海道曹達KK
11 5413 S3908 富士車 北海道曹達KK
12 5414 S4004 富士車 北海道曹達KK

【形式編28】080913作成R4BX3+ロット表を資料編より移設+ロット表R3、090205R4BY。