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タキ14700形の形式解説

私有貨車

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タキ14600形
タキ14800形

 番号
解説


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形式編11
形式編13

●積荷
●構造

入口


【概要】
 30トン積の液化酸化エチレン専用車で、この専用種別では唯一の形式である。

【積荷】
 液化酸化エチレンはEOと略称される0℃での比重は0.89・沸点11℃の常温では刺激臭ある有毒引火性気体で、高圧ガス取締法の適用を受ける。石油化学製品の一種で、用途は有機合成の中間体、高級洗剤・界面活性剤の原料などである。

【車歴】
 昭和44〜平成12年に39両が日車・富士車両・三菱で製作された。高圧ガスタンク車のため比較的早期に取替えられるが、同一形式の新製により代替されている。

【外観と構造】
 高圧ガスタンク車で、最高充填圧力は7.2Kg/cm2・充填定数は1.3・タンク容積は39.3m3である。
 タンク材質は純度保持のためステンレス鋼(SUS304)を使用し、板厚は胴板11・鏡板12mmであった。タンク寸法は直径2,000mm・長さ12,870mmで、周囲には保冷のため厚さ75mmのウレタン断熱材と薄鋼板製のキセが設置されていた。タンク塗色は法規制によりねずみ色1号である。
 荷役装置はタンク中央にある円筒形プロテクタに弁類を内蔵したマンホール弁方式である。
 台枠は平型だが、ブレーキ装置と台車は製造時期により数種類に別けられ、またこれにより台枠長さも異なっている。

●タイプ1・タキ14700〜14711
 KE305+両側ブレーキ・TR41C台車を装備したグループで、台枠長さは13,240mm。

●タイプ2・タキ14712
 タイプ1の台車がTR41Dに変わったもの。

●タイプ3・タキ14713
 KSD180−254+手ブレーキとなったため台枠長さは13,800mmに延びた。高圧ガスタンク車で積空ブレーキ装備は珍しい。台車はTR41Eとなった。

●タイプ4・タキ14715〜14720
 ブレーキ装置はKD254、台車はTR211Fに変わった。台枠長さは13,800mmで同じ。

●タイプ5・タキ14721〜14727
 台車がTR216Aとなったタイプ。

●タイプ6・タキ14728〜14738
 ブレーキ装置はCSD形に変更され、ゴム製ダイヤフラムシリンダ装備となった。


タイプ1・TR41C+両側 14700


タイプ1・TR41C+両側 タキ14701


           タイプ2・TR41D+両側 タキ14712


 タイプ4・TR211F+手 タキ14719


タイプ5・TR216A+手 タキ14723


タイプ6・TR216A+手 タキ14730


タキ14700形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
14700 S4402 日車本店 三井物産KK
14701,14702 S4402〜4403 富士車両 日本触媒化学工業KK
14703 S4512 日車本店 日曹油化工業KK
14704 S4506 日車本店 三井物産KK
14705 S4508 三菱 日本触媒化学工業KK
14706 S4602 三菱 日本触媒化学工業KK
14707〜14711 S4711〜4803 三菱 日本触媒化学工業KK
14712 S4808 三菱 日本触媒化学工業KK
14713,14714 S4904 三菱 日本触媒化学工業KK
10 14715〜14720 S5011〜5103 三菱 日本触媒化学工業KK
11 14721,14722 S5208〜5210 日車 石油荷役KK
12 14723 S5402 日車 石油荷役KK
13 14724,14725 S5507 日車 石油荷役KK
14 14726,14727 S6001 日車 日本石油輸送KK
15 14728〜14731 H0402〜0405 日車 KK日本触媒
16 14732〜14737 H0801〜0807 日車 KK日本触媒
17 14738 H1211 日車 三菱化学物流KK

【形式編12】070825作成R4BX2、070902本文修正、070911ロット表R3、081204タキ14700,14723追加+R4B。