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タキ16500形の形式解説

私有貨車

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タキ16300形
タキ16600形

 番号
解説


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[索引]

形式編36
形式編38

●積荷
●構造

入口


【概要】
 35トン積プロピレンオキサイド専用車で、この積荷では唯一の形式。

【車歴】
 昭和44〜平成5年に16500〜16527の14ロット28両が日立・日車で製作された。

【積荷の性質】
 POと略称される沸点34℃・比重0.83の香気ある有毒性無色引火性液体。石油化学製品の一種で、プラスチックや界面活性剤の原料として用いられる。タンク材質は純度保持のためステンレスで、反応性が高いため0℃で積込み、荷卸し時でも10℃以下と保冷状態で輸送する。

【外観と構造】
 低比重で反応性の積荷を保冷輸送するため、超大型の保冷キセ付タンク体を持ち、モチーフ形式は、製造時期により35系→17系→38系と変遷した。
 設計比重は0.85・タンク容積は41.1〜41.2m3であった。
 タンク材質はステンレス鋼(SUS304系)で、周囲には高性能のウレタン断熱材を配置している。
 荷役方式は窒素圧による上入れ上出し方式で、配管・弁装置類とサンプリング管・温度計・圧力計などは、タンク上部の保冷カバーに収納されている。

●35系
 16500〜16508の4ロット9両で昭和44〜47年日立製である。
 タンク体はC3タイプ異径胴で、寸法は両端直径1,750mm・中央直径2,150mm・長さ13,350mm。ウレタン断熱材の厚さは日射を考慮してタンク上部は230mm・下部は150mmと不均等である。
 台枠は35系標準で長さは14,000mm、ブレーキ装置は両側+KE305形空気、台車はTR41Cである。

●17系
 16509〜16511の1ロット3両で昭和50年日車製。準保安対策車に属する。
 タンク体はF3タイプ異径胴となり、寸法は両端直径1,750mm・中央直径2,300mm・長さ12,378mm。断熱材厚さは全周にわたって200mmとなった。キセはステンレス薄板製の所謂銀キセとなった。
 台枠は17系標準で長さは13,600mm、ブレーキ装置は手+KSD形積空、台車はTR41E−13である。

●38系
 16512〜16527の8ロット16両で昭和54〜平成5年日車製。
 タンク体はF3タイプ異径胴で17系に似るが、寸法は両端直径1,800mm・中央直径2,350mm・長さ11,922mmと太く短くなった。断熱材厚さは175mmと17系より25mm薄い。
 台枠は38系標準で、長さは13,100mmとタンク体に合せて500mm短くなった。ブレーキ装置は16525迄は手+KSD形積空、16526以降は手+CSD形積空、台車は16519迄はTR225、20以降はTR213C。なお後者には中古台車を利用した車両もあった。


35系 16501


        35系 16508


17系 
16510


38系・TR225台車 16513


38系・TR213C台車 16525


38系・TR213C台車・CSDブレーキ 16527


タキ16500形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
16500〜16502 S4409 日立 昭和電工KK
16503 S4412 日立 周南石油化学KK
16504〜16507 S4507〜4509 日立 周南石油化学KK
16508 S4705 日立 日本石油輸送KK
16509〜16511 S5003 日車 日本石油輸送KK
16512 S5402 日車 日本石油輸送KK
16513〜16515 S5408 日車 日本石油輸送KK
16516,16517 S5504 日車 昭和電工KK
16518,16519 S5510 日車 日本石油輸送KK
10 16520 S6211 日車 日本石油輸送KK
11 16521,16522 S6304 日車 日本石油輸送KK
12 16523,16524 H0104〜0106 日車 日本石油輸送KK
13 16525 H0402 日車 日本石油輸送KK
14 16526,16527 H0503 日車 日本石油輸送KK

【形式編37】090527作成R4B、110720R4C。