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タキ8850形の形式解説

私有貨車

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タキ8800形
タキ8900形

 番号
解説


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形式編37
形式編39

積荷
●構造

入口


【概要】
 35トン積ラテックス専用車で、タキ8350形30トン車の拡大版。後継形式にキセ付35系としたタキ23800形がある。

【車歴】
 昭和42〜58年に8850〜8870の8ロット21両が日車支店・三菱で製作、日車・富士重でタキ1500形から改造された。

【外観と構造】
 積荷は危険性はなく比重も約1と物性は水に近いが、凍結すると変質するため寒冷地への輸送には保温が必要で、また純度保持のためタンク体はステンレス鋼を用いた。
 設計比重は0.94〜1.06・タンク容積は33.3〜37.2m3であった。
 タンク材質はステンレス鋼(SUS304系)で、周囲にはグラスウール断熱材を装備している。
 荷役方式は上入れ下出し方式である。

●新製車
 8850〜8852の1ロット3両で昭和42年日車支店製である。
 スウェイバックしたドーム付タンク体が特徴で、台枠には当時の日車が好んだ側梁省略形を用い、長さは13,400mmと長い。ブレーキ装置は片側+KSD形積空、台車はTR41Cである。

●新製車タイプ2
 8853〜8854の2ロット2両で昭和49年三菱製。
 タキ8350形の拡大版といった趣きで、タンク体はドーム付の直円筒形である。
 台枠は平形、ブレーキ装置は手+KSD形積空、台車はTR41Eである。

■改造車
 昭和47年にキセ付35系のタキ23800形が開発されたため、本形式の増備は一旦終息した。ところが昭和50年代後半になると、余剰化したタキ1500形石油類専用車を活用するため、化成品転用の一環として本形式への改造が開始され、昭和56〜58年にかけて8855〜8870の5ロット16両が改造された。なお全車、キセ付ステンレス製タンク体を新製したが、台枠以下は種車のままである。

●改造車タイプ1
 8855〜8859の2ロット5両で昭和56年富士重改造。
 タンク体はドームレスの直円筒形で、種車の長さが3種類あったため、タンク長さも2種類に分かれている。

●改造車タイプ2
 8860の1ロット1両で昭和58年富士重改造。
 ユーザーである旭化成の意向により、ドーム付タンク体となった。

●改造車タイプ3
 8861〜8870の2ロット10両で昭和57〜58年日車改造。
 新製されたタンク体はF3形異径胴で、直径は両端2,000mm・中央2,050mmと中央が50mm太い。


新製車タイプ1 8850


        新製車タイプ2 8853


改造車タイプ1 8855


改造車タイプ1 8858


改造車タイプ3 8861


タキ8850形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
8850〜8852 S4209 日車本店 住友ノーガタックKK
8853 S4902 三菱 ダイセルKK
8854 S4906 三菱 ダイセルKK
8855〜8857 S5603 富士重▲ タキ1500 31584,31586,
31592
日本石油輸送KK
8858,8859 S56xx 富士重▲ タキ1500 15344,15347 日本石油輸送KK
8860 S5801 富士重▲ タキ1500 15596 日本石油輸送KK
8861〜8867 S5712〜5801 日車▲ タキ1500 15590,15597,
19959,21504〜
21506,21508
日本石油輸送KK
8868〜8870 S5806 日車▲ タキ1500 21551,21554,
21562
日本石油輸送KK

【形式編38】090620作成R4B+ロット表R3を特別編590より移設。