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タム8500形の形式解説

私有貨車

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タム8400形
タム8600形

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解説


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形式編24
形式編26

積荷
●構造

入口


【概要】
 液化塩素輸送用の高圧ガスタンク車で、荷重は15トン。これまでのタム2300形はタンク材質がボイラー用鋼板だったが、これを高張力鋼に変えて軽量化したもの。時代は既にタキ5450形25トン車が主流となっていたため、少数が製作されたに留まる。

【車歴】
  昭和39〜48年に19ロット43両が富士重・三菱・日車・日立で製作された。

【外観と構造】
  タンク材質は高張力鋼で、板厚は8527までと8528以降で異なる。タンク寸法は直径は1,500mmで長さはタイプで異なる。周囲には保冷のため厚さ75mmのグラスウール断熱材(又は相当品)と薄鋼板からなるキセがある。
  荷役装置は通常のマンホール弁式である。
 台枠は平形で、留置ブレーキは8535までは手、8536以降は両側である。ブレーキ装置はKD254形を装備し、台車はTR41Cから第一次改造でTR41Dに改造された。

●タイプ1・富士重工製
 8500,8501,8518の2ロット3両で、全て伊藤忠商事KK向であった。タンク板厚は胴板17mm・鏡板19mm、同長さは7,447mm、台枠長さは8,500mm・BC間距離は5,200mm(推定)である。ブレーキは手。

●タイプ2・三菱製初期
 8502,8503,8505〜8517,8519〜8526の9ロット23両で、本形式の大半を占める。
 タンク板厚は胴板17mm・鏡板19mm、同長さは7,447mm、台枠長さは8,500mm・BC間距離は5,200mmである。ブレーキは手。

●タイプ3・三菱製改造
 8504で、タム2300形の改造車。台枠以下は種車のままで、タンク体を新品に乗せ替えた。
 残念ながら諸元は不明である。

●タイプ4・三菱製後期
 昭和43年以降製で、8527〜8533の2ロット7両であった。タンク板厚は8527が胴板17mm・鏡板19mmだが、8528以降は胴板16mm・鏡板17mmと薄くなった。同長さは7,150mmと短縮され、台枠長さも8,050mm・BC間距離は5,050mmと短かくなった。ブレーキは手。

●タイプ5・日車製初期
 8534,8535の2ロット2両で、日本曹達KK向。タンク板厚は胴板16mm・鏡板17mmで、その他の諸元はタイプ4と同一である。ブレーキは手。

●タイプ6・日立製
 8536〜8539の1ロット4両で、東洋曹達工業KK向。タンク体はタイプ5と同一だが、台枠はタキ5450形と共通とされ、長さ8,960mm・BC間距離5,660mmでブレーキは両側となった。

●タイプ7・日車製後期
 8540〜8542の2ロット3両で諸元はタイプ6と同一である。


富士重製 8500


三菱製初期 8502


三菱製初期 8520


三菱製後期 8532


日車製 8542


タム8500形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
8500,8501 S3910 富士重   新日化産業KK
8502,8503 S3910 三菱 大阪曹達KK
8504 S3912▲ 三菱 タム2300 2332 日本曹達KK
8505,8506 S40xx 三菱   大阪曹達KK
8507〜8514 S4007 三菱 旭化成工業KK
8515,8516 S4010〜4011 三菱 旭電化工業KK
8517 S4011 三菱 大阪曹達KK
8518 S4012 富士重 伊藤忠商事KK
8519 S4105 三菱 大阪曹達KK
10 8520〜8522 S4112 三菱 旭化成工業KK
11 8523 S4112 三菱 北作商事KK
12 8524〜8526 S4209 三菱 旭化成工業KK
13 8527 S4305 三菱 山陽パルプKK
14 8528〜8533 S4305 三菱 旭化成工業KK
15 8534 S4305 日車本店 日本曹達KK
16 8535 S4310 日車本店 日本曹達KK
17 8536〜8539 S4607 日立 東洋曹達工業KK
18 8540 S4709 日車 日本曹達KK
19 8541,8542 S4812 日車 旭電化工業KK

【形式編25】080624作成R4BX3+ロット表を第250週より移設、080802タム8542追加、090316R4B。