吉岡心平のマーク

タキ8850形8850

私有貨車

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タキ8800形
タキ8900形

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解説


タキ8853

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特別編589

特別編591

積荷
●構造

入口


 今回はスウェイバックしたタンク体で有名だった、タキ8850形の若番車を取り上げよう。

 タキ8850形は35トン積ラテックス専用車で、昭和42〜58年に21両が製作された。新製車は昭和42〜49年製の5両だけで、その後の増備はタキ23800形35系タンク車に移行したが、昭和56年以降はタキ1500形の転用改造で賄うことになり、改造後は本形式に編入されたため、再び本形式が増加することになったのである。

 タキ8850は、ラテックスで初の35トン車として、昭和42年9月日車支店で3両製作されたうちの第一号車である。

 設計比重は0.94と低く、タンク容積は37.2mと大きい。恐らく他の積荷への転用も考慮したためだろう。
 タンク体は汚染防止のためステンレス鋼製で、粘稠な積荷の荷卸しを考慮して、中央に向かって1/50勾配で傾斜したV3タイプである。一見V2

タイプのように見えるのは、水平部が1,650mmと短いためだ。寒冷地へ運用するため、タンク周囲には保温用として厚さ100mmのグラスウール断熱材と薄鋼板製のキセを設けた。このため、タンク直径は1,950mmと細くなり、反面長さは12,940mmと長大となった。余談だか同時期に同一メーカーで作られたタキ8950形とキセの形を比べると、両者では全く異なる点が興味深い。
 台枠は軽量化のため側梁を省略したタイプで、タキ5750や7750形では普遍的だが、本形式のような大型車では35系への移行が早かったため、比較的珍しいものである。長さは13,400mmとタキ3000形並で、ブレーキは片側+積空、台車はTR41Cであった。

 落成時の所有者は住友ノーガタックKK・常備駅は新居浜であった。昭和48年11月に本来の持ち主である日本石油輸送KKに移籍し、東高島駅常備となったが、昭和50年5月には再び新居浜駅に復帰した。晩年は郡山駅常備となり、平成11年9月に廃車となった。


【特別編590】050518作成R4A、050706ロット表追加、060820ロット表R2、071124ロット表R3+R4A2、081230
R4BY、090620ロット表を形式編38に移設。

タキ8850形8850の写真

【写真1590】 タキ8850形8850 昭和63年3月6日 塩浜操駅にて P:吉岡心平