吉岡心平のマーク

タキ6900形6900

私有貨車

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タキ6850形
タキ6950形

 番号
ロット表


タキ6909

 ページ
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特別編708
特別編710

●積荷
●構造

入口


 アクリロニトリルはアクリル繊維やABS樹脂の原料として使用される有毒液体。タンク車の世界では何故かアクリルニトリルと標示されるが、登場時は正しく「アクリロ」だったので、何時か何処かで間違ったようだ。

 タキ6900は昭和33年12月三菱製。6905迄の6両からなる第一ロットのトップナンバーだが、昭和33年生まれは本車だけで、ラストは昭和34年3月製となっている。

 外観・構造はタキ3000形を基本として、毒性のある積荷を積載するため、荷役装置を上出し方式に変更したもので、弁装置とこれを防備するプロテクタのため、これまでにないスタイルとなった。
 設計比重は0.81・タンク容積は37.5mであった。

 タンク体は普通鋼製で、寸法は直径2,050mm・長さ11,600mmであった。タンク内面は鉄

肌ののままで、加熱管・熱絶縁などは設けられていない。
 荷役装置は窒素加圧による上出し方式で、大型の締切弁をタンク上に直立させたため、これを収納するプロテクタは縦長で大型のものとなった。ちなみに三菱製が好んだのは、茶筒のような円筒形である。
 台枠は平形で、長さは12,400mm・BC間距離は9,100mmで、本形式の標準値となった。ブレーキは当時の三菱が好んだシリンダと空気溜が一体となったKC形で、台車はTR41Cであった。

 落成時の所有者は三菱化成工業KK・常備駅は黒崎であった。水島コンビナートへの展開により、昭和40年6月に子会社のKK化成水島に移動し、常備駅は日鉱前を経て東水島となった。その後、社名も昭和49年2月三菱化成工業KK、昭和63年5月に三菱化成KKと変遷した。晩年はアセトニトリルなどの輸送にも転用され、平成5年9月に他車より一足早く廃車となった。


タキ6900形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
6900〜6905 S3312〜3403 三菱   三菱化成工業KK
6906〜6908 S3405 三菱 三菱化成工業KK
6909 S3406 富士車両 日東化学工業KK
6910 S3410▲ 不明 タキ5200 5210 住友化学工業KK
6911〜6913 S3503 三菱   三菱化成工業KK
6914 S3508 日車支店 日本石油輸送KK
6915 S3508 日立 旭化成工業KK
6916 S3511 日車支店 日本石油輸送KK
6917〜6919 S3612 三菱 三菱化成工業KK
10 6920 S3701 三菱 旭化成工業KK
11 6921,6922 S3705 日車支店 日本石油輸送KK
12 6923,6924 S3802 三菱 旭化成工業KK
13 6925 S3805 日車支店 日本石油輸送KK
14 6926,6927 S3808 日車支店 日本石油輸送KK
15 6928,6929 S3808 三菱 旭化成工業KK
16 6930,6931 S3902 三菱 旭化成工業KK
17 6932〜6936 S3905〜3907 三菱 旭化成工業KK
18 6937〜6941 S4001〜4003 三菱 旭化成工業KK
19 6942〜6944 S4008〜4009 三菱 旭化成工業KK

タキ6900形6900の写真

【写真1709の1】 タキ6900形6900 昭和58年3月21日 栄町駅にて P:吉岡心平

タキ6900形6900の写真

【写真1709の2】 タキ6900形6900 P:吉岡心平所蔵


【特別編709】060928作成R4A、070713R4A2、081011ロット表R3追加、081029R4BY、100417R4B。