吉岡心平のマーク

シム1形6

私有貨車

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シム20形

 番号
ロット表


シム14

 ページ
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特別編709
特別編711

積荷
●構造

入口


 今回取り上げるのはシム1形で最大派閥のグループだ。

 シム1形は車両メーカーが自社の電車車体輸送用として大正10〜昭和62年に34両製作した15トン積大物車である。

 シム6は大正12年8月日車本店で製作された。落成時の形式はホシウ70形で番号は81、ホシウ80〜82からなる3両ロットに属していた。

 日車所有のホシウは大正9年に70〜73が10トン積で製作された後、大正11年に増トン改造を受け15トン積となった。本車は増備ロットに属し、初めから15トン積として落成している。最終的に日車所有のホシウ70形は70〜73,80〜82,85〜87の3ロット10両が製作され、昭和3年の改番後はシム1形1〜10となった。

 外観・構造は、魚腹形の側梁と中梁を持ち、中央部が低くなった低床形である。魚腹部は変わったカタチだが、宮坂さんの指摘によれば、10トン車時代はトラス棒だったのを増トン時に鋼板を貼って補強したためのようだ。なお本車は落成時から15トン積のため、改造車である前ロットを模倣したと言う事になろう。
 台車はTR15だったが、昭和36年にTR41に換装された。ヨンサントウでは私有大物車は一括して「ロ」車とされ、写真のように黄帯を巻いたが、その後TR41を装備した車両は、国鉄シキに順ずる構造として75km/h走行が許可され、記号「ロ」と黄帯を抹消した。

 所有者は日本車両製造KK・常備駅は熱田であった。工場の移転により、昭和48年1月に豊川駅常備となった。取替用のシム110〜115の落成により、昭和51年8月に廃車となった。


【特別編710】061003作成R4A、081118R4BY、081127ロット表R3追加。


シム1形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
1〜4 S0310△ (改番) ホシウ70M44 70〜73 日本車両製造KK
5〜7 S0310△ (改番) ホシウ70M44 80〜82 日本車両製造KK
8〜10 S0310△ (改番) ホシウ70M44 85〜87 日本車両製造KK
11,12 S2307 日立   KK日立製作所
13,14 S2405 新潟 KK新潟鉄工所
15,16 S24xx 日立 KK日立製作所
17 S2502 新潟 KK新潟鉄工所
18〜19 S3304 日立 KK日立製作所
101,102 S3909 東急 東急車両製造KK
10 103,104 S4208 東急 東急車両製造KK
11 110〜115 S5105〜5108 日車 日本車両製造KK
12 116,117 S6205 日車 (チキ7000)     日本車両製造KK
13 1001,1002 H04xx▲ 東急 シム1 101,102 東急車両製造KK

シム1形6の写真

【写真1710】 シム1形6 昭和44年2月15日 大江駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】

日車のシムが黄帯を巻いていた期間は短かかったので、大変珍しい写真といえる。