吉岡心平のマーク

タム5900形5905

私有貨車

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タム5850形
タム6900形

 番号
ロット表


タム5909

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第29週
第31週

積荷
●構造

入口


 タムといえば「15トン車」のイメージが強いが、規程上は荷重14トン以上17トン未満が類別されるため、ごく稀にだが14トン積のタムもあった。今回取り上げたタム5900形は「14トン積」の二硫化炭素専用車で、なぜこんな半端な荷重となったと言えば、カセイソーダ専用車を転用改造したためである。

 タム5900形は全部で19両あり、元を辿れば全てタム900形に行き着くが、その経路により3グループに分類される。第一はタム900形から直接改造されたグループで、昭和31年3月に5900〜05、昭和35年8月に06〜08の合計9両が大鉄車両で改造された。改造ではタンク体の周囲に保冷用のキセを新設したが、タンク体と台枠は種車のものをそのまま流用している。第二はタム900形を保温キセ付に改造したタム3900形カセイソーダ専用車の専用種別と荷重を変更したもので、昭和38年5月に5909〜13、同年12月に16〜18が誕生した。第三は第二のグループに類似するが、一旦タム200形15トン車を経由したもの。

第二グループの種車となったタム3900形のうち2両は、昭和37年10月に二硫化炭素専用車に種別変更されタム200形2208、09となったが、どうも満載出来なかったようで、7ヶ月後に減トンされタム5914、15に改番された。

 写真のタム5905は、昭和24年東洋レーヨン製のタム982で、吉岡写真CD−ROM第2巻に収録したタム985と同一ロットの車両である。共に戦災国鉄貨車の台枠を流用した「戦災復旧車」で、写真を見比べると同一ロットながら台枠構造が異なることが見て取れる。なおタム5905の台枠は側枠に150mmチャンネルを使用しているため、スム1やワム20000ないし21000のものと思われる。

 改造時の所有者は昭和工業KK・常備駅は守山で、ヨンサントウでは無事2段リンク化改造を受けた。越中島などへの二硫化炭素輸送に活躍していたが、写真で判るように晩年は台枠の劣化・変形が著しく、昭和50年3月に廃車となっている。


●関連形式 タム900形994 昭和24年東洋レーヨン製で、種形式の紹介。

        タム4900形4909 15トン積亜硫酸パルプ廃液専用車、タム900形970の改造車。

        タム20900形20950 昭和23年東洋レーヨン製で、有蓋車台枠利用の例。


タム5900形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
5900〜5905 S3103 大鉄▲ タム900 973〜977,982 昭和工業KK
5906〜5908 S3508 大鉄▲ タム900 958〜960 東洋紡績KK
5909〜5913 S3805 (専変▲) タム3900 3934〜3937 昭和工業KK
5914,5915 S3805 (専変▲) タム200 2208,2209 昭和工業KK
5916〜5918 S3812 (専変▲) タム3900 3931〜3933 昭和工業KK

タム5900形5905の写真

【写真30の1】 タム5900形5905 昭和49年4月18日 越中島駅にて P:吉岡心平

タム900形985の写真

【写真30の2】 タム900形985 昭和49年4月17日 安中駅にて P:吉岡心平


【第30週】010325作成、040121R4、070802R4A2、080926R4BY、090920ロット表R3追加+R4B。