吉岡心平のマーク

タサ5600形5613

私有貨車

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タサ5500形
タサ5700形

 番号
ロット表

タサ5604
タサ5616

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特別編536
特別編538

●積荷
●構造

入口


 タサ5600形は20トン積過酸化水素専用車で、昭和37〜43年に7ロット17両が日立・富士重で製作された。ところで長い間「タキ」でなく、効率の悪い「タサ」を新製したのは何故だろうか。

 タサ5613はその第6ロットとして、昭和42年2月富士重工で製作された5611〜14のうちの一両である。

 設計比重は1.1、タンク容積は18.2m3と標準的であった。
 タンク体は積荷の分解を防ぐため高純度のアルミニウム製で、寸法は直径1,726mm・長さ8,225mmであった。タンク受台はアルミ車通例の大型だが、個数は8個とこの頃作られた濃硝酸専用車のタキ7500形と比べるといささか古い設計だ。タンク寸法が日立製の第一ロットから変化してい

ないことを考慮すると、何らかの理由で昭和37年時点の同社のプラクティスを、そのままコピったためと思われる。
 本車の見所は、多数のバルブが林立した配管群だが、奇妙なグッズとしてドーム側面に見える大きな蓋がある。過酸化水素専用車は積荷から放出される酸素を排出するため、安全弁に代えて通気口を装備するが、この際、通気口からの異物混入を防止するためのフィルターをドームに内蔵したため、このような構造になったようだ。
 台枠は長さ9,000mmの平形で、台車はTR41Cから第一次改造でTR41Dとなった。

 所有者は日本パーオキサイドKK・常備駅は郡山であった。同地の工場から主として山陽・九州方面に運用されていたようである。平成6年10月に廃車となった。


●同一専用種別 タム8000形8010  昭和38年日車支店製で三徳化学工業KK向。15トン積の2軸車。

           タキ1150形1176  昭和49年日立製で安宅産業KK向。30トン車。
           タキ22800形22804 昭和48年富士重製で日本パーオキサイドKK向。35トン車。


■主要諸元
製造年   昭和42年2月
製造所   富士重
設計比重 1.1
タンク容積 18.2m3
●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドーム付
タンク材質 純アルミ
タンク板厚 胴板13・鏡板16mm
タンク直径 1,726mm
タンク長さ 8,225mm

●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式S字管付
●下廻り
台枠形式   平形
長さ      9,000mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KD254形
台車      TR41C→TR41D形

タサ5600形5613の写真

【写真1537】 タサ5600形5613 昭和50年2月20日 郡山駅にて P:吉岡心平


【特別編537】041028作成R4、050410R4A、050901リンク追加、070626R4A2、080628R4BY、130822諸元
追加+R4C。