吉岡心平のマーク

タサ600形609

私有貨車

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タサ500形
タサ700形

 番号
[ロット表]

タサ600
タサ656

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特別編535
特別編537

積荷
●構造

入口


 小生が貨車を撮り始めた昭和40年代後半、3軸車は既にレアな存在であった。今回は、残念ながら廃車体しか撮影出来なかったタサ600形を紹介する。

 タサ600形は20トン積3軸の石油類専用車で、昭和7〜28年に63両が製作された。タサ500形との区別はあいまいでだが、どちらかと言えば原油や重油など高比重積荷の車両が属したようだ。

 タサ609は昭和10年2月日車本店で、602〜611からなる原油専用車の一員として誕生した。3軸車としては末期の作品で、均整の取れた近代的な外観であった。なお2ケ月後に同一メーカーが製作したタサ1100形は、タンク太さを除けばスタイルが瓜二つであった。

 3軸タンク車では珍しく、普通鋼製のタンク体は全溶接組立で、寸法は直径1,936mm・長さ8,482mmであった。
 台枠は標準的な平型で、寸法は長さ8,560mm・軸距2,740mm、走り装置は長一段リンク式であった。

 落成時の所有者は所有者は中野鉱業KK・常備駅は羽後平沢で、国内産原油の輸送用であった。その後、所有者は帝国石油→共同企業→日本原油運送→日本石油運送→日本石油輸送KKと変遷した。また常備駅は遊佐→砂越→手稲と移動し、ヨンサントウでは北海道内に常備されていたことが幸いして道内専用車となり、昭和48年5月まで生き延びた。写真は廃車から約一年後で、釧路の臨港駅そばに留置されていた際のものである。


【特別編536】041026作成R4、050410R4A、070924R4A2、081230R4BY。

タサ600形609の写真

【写真1536】 タサ600形609の廃車体 昭和49年7月23日 臨港駅にて P:吉岡心平