■上部配置(FC3309,FC3398)
今回はタンク上部配置である。タキ35000形ではタンク上部配置として2枚の標準図が国鉄の手で用意された。
1枚目は正圧式安全弁2個と計量口付きの図面(図番FC3309)で,2枚目は安全弁の内1個が正負圧式に変更され,吐出弁操作装置の開閉軸箱が設けられた図面(図番FC3398)である。しかし,全てのタキ35000形がこの図面どおりに製作されたわけではなく,ユーザーやメーカーによって計量口や開閉軸箱の有無が生まれており,形態分類の興味は尽きない。
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タキ43000形やタキ1000形で使用されている安全弁は2個とも正負圧式であるが,タキ35000形では当初,正圧式2個を標準として新製されたため,正圧式と正負圧式が各1個使用された車輌は少なく、まして,正負圧式を2個使用したものは皆無であった。なお,正圧式と正負圧式が各1個づつ使用された35系タンク車としてはタキ7950形,タキ13700形がある。
私有貨車図鑑(吉岡心平著)P253には,改造車としてアセトン臨専改造のタキ35661の写真があるが,ここでは吸湿装置の取付改造車であるタキ36003の上部配置写真をご覧頂きたい。この写真だけを見たらとてもタキ35000形式とは思えないだろう。
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