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貨車構造・部品研究室−005


タキ35000形

タンク上部配置・マンホール 

構造・部品−004

構造・部品−006

 

2002/3/13 作成

2002/3/31 修正


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構造-001 台枠   構造-002 タンク体  構造-003 受台,受板  構造-005 タンク上部配置,マンホール 

構造-006 安全弁 構造-007 はしご手摺及び踏板  構造-008 液出装置  構造-009 ブレーキ装置

■上部配置(FC3309,FC3398)

 今回はタンク上部配置である。タキ35000形ではタンク上部配置として2枚の標準図が国鉄の手で用意された。

 1枚目は正圧式安全弁2個と計量口付きの図面(図番FC3309)で,2枚目は安全弁の内1個が正負圧式に変更され,吐出弁操作装置の開閉軸箱が設けられた図面(図番FC3398)である。しかし,全てのタキ35000形がこの図面どおりに製作されたわけではなく,ユーザーやメーカーによって計量口や開閉軸箱の有無が生まれており,形態分類の興味は尽きない。 

タキ43000形やタキ1000形で使用されている安全弁は2個とも正負圧式であるが,タキ35000形では当初,正圧式2個を標準として新製されたため,正圧式と正負圧式が各1個使用された車輌は少なく、まして,正負圧式を2個使用したものは皆無であった。なお,正圧式と正負圧式が各1個づつ使用された35系タンク車としてはタキ7950形,タキ13700形がある。

  私有貨車図鑑(吉岡心平著)P253には,改造車としてアセトン臨専改造のタキ35661の写真があるが,ここでは吸湿装置の取付改造車であるタキ36003の上部配置写真をご覧頂きたい。この写真だけを見たらとてもタキ35000形式とは思えないだろう。

図9 FC3309/上部配置

図10 FC3398/上部配置

 正圧式安全弁2個,新型マンホール,吐出弁開閉装置軸箱付きのグループ。タキ35000形の安全弁は大多数が正圧式安全弁2個付きである。

写真26 タキ35000形35870

 正圧式安全弁1個,正負圧式安全弁1個,新型マンホール,吐出弁開閉装置軸箱付きのグループ。タキ35000形で正圧式及び正負圧式安全弁を1個づつも設けた車両は少ない。

写真27 タキ35000形35763

 これでもタキ35000である。一見化成品タンク車を思わせるが,水分を嫌う絶縁油等の輸送用に改造されたもので,乾燥剤入りの吸気装置及びカバー付きのマンホールが特徴である。他にタキ36006などがある。

写真28 タキ35000形36003

 ■マンホールフタ(FC3311)

 タキ3000形などに使用されつづけていたマンホール蓋は鋳鋼製(SC410)製で重量が約38kgと重く,開閉操作が困難であった。これを一般構造用圧延鋼板6mmの

ドームフタ(照合1)と厚さ19mmの鋼板を切り抜いたフランジ座との溶接構造となり、重量は半分以下の18kgとなり操作が楽になった。また、従来8本であった目玉ボルトも6本に合理化された。パッキン(照合5)は耐油性が高いニトリルゴムである。

図11 FC3311/マンホールフタ

■ドーム(FB3104)

 初期のマンホールはタンク取り付け部とマンホールフタ取り付け部の直径が同一であった。

図12 FC3104/ドーム

■マンホール(FB3130)

 タキ35000形式量産開始後,比較的早い時期に改良

されたものである。変更理由は,タンク内の梯子の昇降を容易にするためで,マンホールのタンク取り付け部の直径を大きくしている。

図13 FC3130/マンホール


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