■タキ35000形タンク受台の開発経緯
ボギータンク車は,大きく分けてタンク体,台枠,台車に大別される。台車は,車輌として走行性能を確保すると共に,積荷を満載したタンク体と台枠の重量(垂直荷重)を支える役割がある。一方,台枠は,連結時の衝撃力や走行時の水平力は連結器から台枠へ,さらに,これに固定されたタンク体へ伝わる役割がある。
このため,タンク体と台枠との間には,この垂直荷重と水平荷重を負担するものが必要となる*1。この垂直荷重を負担するものが「受台」であり,水平荷重を負担するものが「受板」である。この方式は受板が車体中央にあることからセンターアンカ方式と呼ばれている。受板は台枠中央部で台枠に溶接され,タンク体とはりーマボルトにより堅牢に固定され,受台はタンク体の重量を支え,台枠により台車へ重量を伝える。この時,台枠に曲げモーメントが発生しないように,受台と台車中心を一致させることが必須である。
わが国初のフレームレスタンク車タキ9900形が登場する以前のタンク車は,タキ3000形式で代表されるように,台枠に固定された受台上面の曲面でタンク体を支持し,締金で固定する方法である。この方式は,受台上面に接す
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るタンク体円筒部が摺り合わせ面であるため,台枠とタンク体が円周方向にずれた場合,台枠が捻れ走行性能が悪化する問題点があった。
タキ35000形ではタンク体と受台を溶接により一体化し,受台側面を台枠にボルトで固定された押さえ金により固定する方式となった。これにより台枠上面の平面が摺り合わせ面になり,台枠が捻れる心配が無くなった。
■受台(FB3103)
受台は厚さ6mmの一般圧延用構造用鋼SS41(現SS4OO)を溶接により組み立てたもので,枕梁下部の下押さえ(部番2)のみ厚さ9mmが使用されている。受台の形状は,台枠の幅が狭いため,側面が上に向かってハの字型に開いた形状とした。なお,受台幅は500mmである。
変化に乏しいタキ35000形であるが,変形受台をもつロットが存在する。昭和48年製のタキ36080〜36099の20輌で,写真からもわかるように受台側面の開き角度が浅く,高さが低くなっている。またタンク体の当て板上面が直線状態となっている。
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