吉岡心平のマーク

タサ4400形4400

私有貨車

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タサ4300形
タサ4500形

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ロット表


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特別編299
特別編301

積荷
●構造

入口


 タサ700形落ち穂拾いの2回目は、タサ4400形である。

 タサ4400形は24トン積ベンゾール専用車で、一形式一両の珍車だ。半端な荷重が示すように他形式からの改造車で、本車の場合はそれがタサ700形だった訳である。

 タサ4400は昭和32年7月にタサ700形823から改造された。改造所は不明だが、実態は専用種別と荷重の変更だったようだ。種車は昭和17年10月に日車が各地の海軍軍需部向にi一挙50両を製作したグループで、戦中製タサ700形の代表作であった。
 タンク体は普通鋼製で、直径2,050mm・長さ8,534mmと、標準的な作りだ。写真1で良く判るようにドームは車体中心から200mm偏寄している。むしろ特異なのはタンク体と台枠の固定方法で、センタアンカ部の他にタンク側面と台枠側梁とを片側当り2枚の繋ぎ板で結合した。更にタンク受台は側面を省略した簡易なもので、帯金も直接台枠に緊締され、締付はターンバックルで行うよう

になっていた。なお、これらの構造は本形式特有ではなく、当時製作された日車製タンク車に共通したプラクティスであったことを付記しておく。
 台枠は平台枠だが、これまた側梁の内外が通常と逆である。台枠長さは8,600mmとタンク体とほぼ同寸で、緩衝長は極端に短い。物資節約がその理由だと思われるが、戦後の高度成長期のタンク車は、軽量化と車体長短縮のため、このような構造を取っている。まさに時代は繰り返すと言うべきだろう。
 台車は、新潟や大阪が独自設計のものを好んだのに対し、日車は一貫して鉄道省標準のTR20を採用した。なお写真では第一次台車改造後なので、TR41Dに振り替えられている。

 落成時の所有者は三井化学工業KK・常備駅は大牟田であった。昭和39年12月から昭和48年9月の間は常備駅は宮浦であった。昭和43年10月、東洋高圧との合併で、所有者名は三井東圧化学KKとなった。タキ850形などと共に三井三池地区の珍車群の一つだったが、平成元年3月に廃車となった。


●種車形式 タサ700形822 昭和17年日車製の僚車。


 


タサ4400形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
4400 S3207▲ 不明 タサ700形 823 三井化学工業KK

タサ4400形4400の写真

【写真1300の1】 タサ4400形4400 昭和51年10月13日 大牟田駅にて P:吉岡心平

タサ4400形4400の写真

【写真1300の2】 タサ4400形4400 昭和51年10月13日 大牟田駅にて P:吉岡心平


【特別編300】021104作成、040113R4、050410R4A、070930R4A2、090401ロット表R3追加、130330R4C。