吉岡心平のマーク

タサ3000形3000

私有貨車

 形式
索引

タサ2600形
タサ3200形

 番号
ロット表


タサ3028

 ページ
索引

特別編72
特別編74

●積荷
●構造

入口


 名車タサ3000形登場の背景は、トワイライトゾーン・マニュアル・第9巻収載の「幻の私有貨車」で紹介したので、さわりの部分を再掲してみよう。

 『戦争が近づくにつれ、石油資源の乏しいわが国では自動車用ガソリンに無水アルコールを混合することになりました。昭和13年4月の「揮発油及アルコール混用法」施行では、ガソリン全体の1/4に5%のアルコールを混合することからスタートしましたが、昭和15年には範囲が100%となり、混合比率も10%を経て、昭和16年には20%に引き上げられたのです。
 これに用いる無水アルコールの輸送用として製作されたものがタサ3000形20トン積アルコール専用車で、当時ガソリン用の標準車であったにタサ700形をアルコール向けにリファインした車両でした。昭和13〜16年にかけて当時としては破格の80両が製作されています。・・・(以下略)』

 タサ3000は同形式のトップとして、昭和13年8月新潟で落成した。枕梁間の側梁を省略した台枠構造・二分割されたセンタアンカ、タンク帯金の固定方法などは、当時の新潟製タンク車の標スタンダードプラクティスである。

 落成時は写真73の2に示すようにタンク体が銀色に塗装されていたことで有名だ。これは積荷の熱膨張・収縮による呼気作用により、積荷のメタノールに大気中の水分が混入することを嫌ったためである。実際には保守に手を焼いたようで、昭和19年は黒塗りとするよう規程が改正された。

 落成時の所有者は、当時の国策会社であるアルコール輸送KK・常備駅は石油だった。所有者は昭和22年7月、内外輸送KKに改組されている。常備駅はその後、出水→鹿屋→近永→塚口と変遷し、昭和52年7月に廃車となった。


●関連形式 タサ1000形1012 タサ3000形3080,3081の改造車。


タサ3000形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
3000〜3019 S1308〜1310 新潟 アルコール輸送KK
3020〜3029 S1403〜1404 新潟 アルコール輸送KK
3030〜3049 S1504〜1505 新潟 アルコール輸送KK
3050〜3069 S1510〜1511 新潟 アルコール輸送KK
3070〜3079 S1603〜1604 新潟 アルコール輸送KK
3080,3081 S1901 新潟 有機合成品配給統制KK

タサ3000形3000の写真

【写真1073の1】 タサ3000形3000 昭和50年4月26日 越中島駅にて P:吉岡心平

タサ3000形3001の写真

【写真1073の2】 タサ3000形3001 P:吉岡心平所蔵

銀色時代の写真。支えのない手ブレーキハンドルに注目!


【特別編73】010705作成、021011リンク追加、031223R4、050509R4A、071011R4A2、081024ロット表R3
追加+R4BY、100724R4B。