|
タサ3000形3000 |
私有貨車 |
形式 |
番号 |
▲ |
ページ |
●積荷 |
■入口 |
名車タサ3000形登場の背景は、トワイライトゾーン・マニュアル・第9巻収載の「幻の私有貨車」で紹介したので、さわりの部分を再掲してみよう。 『戦争が近づくにつれ、石油資源の乏しいわが国では自動車用ガソリンに無水アルコールを混合することになりました。昭和13年4月の「揮発油及アルコール混用法」施行では、ガソリン全体の1/4に5%のアルコールを混合することからスタートしましたが、昭和15年には範囲が100%となり、混合比率も10%を経て、昭和16年には20%に引き上げられたのです。 |
タサ3000は同形式のトップとして、昭和13年8月新潟で落成した。枕梁間の側梁を省略した台枠構造・二分割されたセンタアンカ、タンク帯金の固定方法などは、当時の新潟製タンク車の標スタンダードプラクティスである。 落成時は写真73の2に示すようにタンク体が銀色に塗装されていたことで有名だ。これは積荷の熱膨張・収縮による呼気作用により、積荷のメタノールに大気中の水分が混入することを嫌ったためである。実際には保守に手を焼いたようで、昭和19年は黒塗りとするよう規程が改正された。 落成時の所有者は、当時の国策会社であるアルコール輸送KK・常備駅は石油だった。所有者は昭和22年7月、内外輸送KKに改組されている。常備駅はその後、出水→鹿屋→近永→塚口と変遷し、昭和52年7月に廃車となった。 |
|
●関連形式 タサ1000形1012 タサ3000形3080,3081の改造車。 |
ロット | 番号 | 製造年 | 製造所 | 落成時の所有者 |
1 | 3000〜3019 | S1308〜1310 | 新潟 | アルコール輸送KK |
2 | 3020〜3029 | S1403〜1404 | 新潟 | アルコール輸送KK |
3 | 3030〜3049 | S1504〜1505 | 新潟 | アルコール輸送KK |
4 | 3050〜3069 | S1510〜1511 | 新潟 | アルコール輸送KK |
5 | 3070〜3079 | S1603〜1604 | 新潟 | アルコール輸送KK |
6 | 3080,3081 | S1901 | 新潟 | 有機合成品配給統制KK |
【写真1073の1】 タサ3000形3000 昭和50年4月26日 越中島駅にて P:吉岡心平
【写真1073の2】 タサ3000形3001 P:吉岡心平所蔵
銀色時代の写真。支えのない手ブレーキハンドルに注目!