吉岡心平のマーク

タサ1000形1012

私有貨車

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タサ700形
タサ1050形

 番号
解説

タサ1009

 ページ
索引

特別編109
特別編111

積荷
●構造

入口


 タサ1000形については既に特別編49でタサ1007を紹介したが、今回はタサ3000形から改造された車両を取り上げよう。

 タサ1012は20トン積ベンゾール専用車で、昭和23年にタサ3000形3081から改造された。種車となったタサ3000形については特別編73で紹介済だが、実はそこで解説した80両の他に、戦争がたけなわの昭和19年1月新潟で製作された20トン積ブタノール及びアセトン専用車が2両あった。これがタサ3080、81の2両である。

 もっともタサ3000〜79も昭和18年4月から昭和22年4月までの間は、専用種別が「アルコール及びブタノール」、荷重は21トンと1トン増積されていたのだから、それほど奇異とは言えないかも知れぬ。図面によれば、落成時はタンク周囲に保冷

用キセを装備していたようだ。タンク鏡板の手摺が妙な形となっているのは、戦後保温材を撤去してから追加したためである。タンク踏板や標記板が木製なのは、戦中製に相応しい。台枠はタサ3000〜79と異なり側梁が貫通した通常の平型台枠になり、センタアンカも中央1箇所にまとめられた。台車はTR20だが、相変わらず長軸タイプを使用している。

 落成時の所有者は共栄産業KKで、その後所有者は三菱系商社である明和産業KK・常備駅は黒崎と変わった。昭和44年1月、タール製品取扱業共同組合所有・西八幡駅常備に異動した。その後、上戸畑駅常備だった時期もある。タム3250形・タサ1050形などと共に越中島などに運用されていたが、昭和54年1月に日本陸運産業KKに移籍し、昭和55年7月に廃車となった。


アルコールタンク車の系譜

●関連形式 タサ3000形3000 アルコール輸送向けのグループ、80両が作られた。


【特別編110】11006作成、021011リンク追加、021104リンク変更、040312R4、050414R4A、070722R4A2、
090208R4BY。

タサ1000形1012の写真

【写真1110】 タサ1000形1012 昭和53年3月26日 越中島駅にて P:吉岡心平