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貨車構造・部品研究室−010


タキ35000形

細密図面,台枠(FA3000) 

構造・部品−009

構造・部品−011

 

 

2002/6/2 作成


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構造-001 台枠   構造-002 タンク体  構造-003 受台,受板  構造-005 タンク上部配置,マンホール 

構造-006 安全弁 構造-007 はしご手摺及び踏板  構造-008 液出装置  構造-009 ブレーキ装置

■加熱管装置

 加熱管装置は,重油等粘性の高い積荷を排出しやすくするため,タンク内に廻らした配管に蒸気を流し積荷のの温度を上げる装置である。
 加熱管装置は前位台枠上にフランジと止弁(玉型弁)からなる蒸気供給配管,タンク内の加熱配管及びタンク下部のアングル弁及び蒸気トラップからなる排気配管から構成される。
 タキ1500形式などはメーカーにより様々な形態の加熱配管装置が設置されたが,標準設計車であるタキ45000形ではメーカー別による形態差はほとんど無く,趣味的には寂しい限りである。

 

■加熱管装置仕様書

メーカーの仕様書をご覧頂こう。

1. 冬期加熱蒸気を用いて。タンク内にある重油を50℃以上に加熱保持できるものとします。

2. 加熱管は2B SGP黒管(JISG3452)を用い,タンク内の配管継手は全て溶接継手とし,Uターン部は180°溶接継手を使用し絶対に蒸気の漏洩のないようにします。

3.加熱装置は熱応力により破損しないよう,その膨張・収縮が自由に行い得る構造とし,また凝結水の流出に支障ないよう適当な傾斜その他を考慮し,どこにも凝結水が溜まらないようにします。

4. 加熱管は4組に分割得るものとし,補修の際,鏡板のマンホールより1組づづ出し入れできる構造とします。

5. 蒸気の供給管は2B SGP黒管を用い,管端にはJIS10Kフランジ及び盲フランジを設けます。また砲金製JIS10K型(JIS B2021)玉型弁を両端の供給管に各1コ取り付けます。

6. 排気管は1B SGP黒管を用い,砲金製JIS10K型(JIS B2022)肘型弁およびスチームトラップを取り付けます。

7. 加熱管の常用蒸気圧力は5kgf/cm2以下とし,15kgf/cm2の水圧試験および5kgf/cm2の蒸気試験を行います。

写真92 タキ45126 蒸気加熱管取入口

写真93 タキ45126 蒸気加熱管出口

図38 加熱管装置(FB3145)

 図39 加熱管装置(FB3146)

 

図40 蒸気トラップ(VC63118)

■配管

 タンク車には多くの配管が使用されているが,大部分は配管用炭素鋼鋼管(JIS G3452)が使用されJISで規定された材料記号はSGPである。

 全ての配管材料は外形基準で製造され,材質や肉厚が異なる。つまり同じ呼び径でも内径は異なるのである。

 1インチ管のJISによる呼びは1Bまたは25Aと表現される。Bはインチ系列,Aはメートル系列を意味する。

 1インチ管の外形は34.0mmであり,25.4mmでは無い。全ての配管呼び径にこの関係が当てはまるため,模型ファンは図面の配管呼び径を1インチ25.4mmで換算しないよう気をつけよう。

 

 

 

 

 

 

 

外形
(B) (A) mm
1/8 6 10.5
1/4 8 13.8
3/8 10 17.3
1/2 15 21.7
3/4 20 27.2
25 34.0
1 1/4 32 42.7
1 1/2 40 48.6
50 60.5
2 1/2 65 76.3
80 89.1
3 1/2 90 101.6
100 114.3
125 139.8
150 165.2
200 216.3
10 250 267.4
12 300 318.5

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