吉岡心平のマーク

タサ1000形1000

私有貨車

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タサ700形
タサ1050形

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解説


タサ1001

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特別編735
特別編737

積荷
●構造

入口


 今回は奇にして妙なタンク車を紹介しよう。

 タサ1000は、タサ1000形20トン積ベンゾール専用車のトップナンバーとして、昭和4年3月日車で製作された。

 当時は3軸車全盛の時代で、ボギー車は極めて珍しい存在だった。このクラスでは石油輸送用のタサ700形が4両あるだけだったが、丁度本形式が登場した昭和4年3〜4月にかけてタサ704,705,707の3両が製作された。ところがタサ706が欠番となっており、時期的に見て本車との関係が濃厚である。

 全体構造は大正14年日車製のタサ700〜70

2に類似し、当時の3軸車と同じくタンク体は台枠内部に落し込まれている。写真のタンク体は全溶接構造だが、これは後天的に更新されたものだ。大型のドームと前後に振り分けられた安全弁が珍しい。
 台枠は中梁省略形で、側梁下部にはトラス棒とキングポストを持つ。台車は菱枠台車で、敢えて類別すればTR16とすべきだろうか。

 落成時の所有者は日本足袋KK・常備駅は久留米であった。地下足袋製造に用いるベンゾール輸送用であろうか。昭和14年3月、社名は日本ゴムKKとなった。昭和25年12月にKK横尾商店所有・西八幡駅常備となった。昭和34年3月上戸畑駅に移動し、昭和44年12月に廃車となった。


●関連形式 タサ1050形1050(第27週)   戦後製の増備車。

        タサ3000形3000(特別編73) 戦前製タンク車の標準として。


【特別編736】070103作成R4A、070622R4A2、080207ロット表R3追加、080606R4BY。

タサ1000形1000の写真

【写真1736】 タサ1000形1000 撮影日・場所不明 P:鈴木靖人

【鈴木さんから貴重な写真を提供して頂きました】