吉岡心平のマーク

タサ700形770

私有貨車

 形式
索引

タサ600形
タサ1000形

 番号
[ロット表]

タサ757
タサ787

 ページ
索引

特別編298
特別編300

積荷
●構造

入口


 トワイライトゾーンマニュアル第11巻には「タサ700形のすべて」を掲載したが、今回はその落ち穂拾いの第一回である。

 タサ700形の概要については同書を参照頂くとして、タサ770はロット14として763〜777の15両が昭和11年6月から8月にかけて新潟で製作されたうちの1両である。このロットは、昭和10年代初期に、日石向けに新潟が4ロット55両を量産したグループに属し、戦前製タサ700形の代表作であった。

 車体構造の詳細は、トワイラマニュアルで解説したので、こちらをご覧頂きたい。ちなみにタンク直径は2,050mm・長さは8,626mmであった。
 仁藤さんから提供頂いた写真の見所は、根岸駅のホームからの撮影で、背景にタキ44000形の一部が写っている点にある。このように晩年は立派となった孫達に囲まれて運用されていた。

 台枠は平台枠だが、何故か側梁の内外が通常と逆になっている。強度面ではどちら向きでも大差は無く、台枠外側に固定するものが多数ある場合、例えば長物車やホッパ車ではこのような構造が普通だが、タンク車では特にメリットがあるとも思えないのだが・・・
 ブレーキ装置は当時流行った片側ブレーキで、このためタンク体と車端間のスペースは、予想外に狭い。台車はTR16(軸距1,800mmで、正しくは雑型とすべき)で、TR20との識別点である水平となった側枠下部が、はっきりと見て取れる。

 落成時の所有者は日本石油KK・常備駅は石油であった。同駅は現在の浜安善で、名は体を現した駅名だったが、開戦後の昭和18年6月、防諜上好ましくないとして改称された暗い過去がある。戦後は進駐軍に接収され、後には連合軍専用車として使用されたが、その後根岸駅時常備となり、昭和46年度に廃車となった。


【特別編299】021102作成、021213リンク変更、040202R4、040617R4、040805リンク追加、050413R4A、
070827R4A2、090818R4BY。

タサ700形770の写真

【写真1299】 タサ700形770 昭和46年4月17日 根岸駅にて P:仁藤慎一

【仁藤さんから貴重な写真を提供して頂きました】