吉岡心平のマーク

タサ1050形1050

私有貨車

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タサ1000形
タサ1100形

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[ロット表]


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第26週
第28週

積荷
●構造

入口


 タサ1050形は20トン積ベンゾール専用車で、昭和30年10月飯野で1ロット2両が製作された。
 同専用種別・同荷重の車両には戦前製のタサ1000形があり、戦後製を別形式として区分したものと考えられる。このような例にはガソリン専用のタサ700と1700形、アルコール専用のタサ3000と3200形などが見られた。

 外観・構造はなんの変哲もない上入れ下出しの標準的なタンク車である。
 タンク材質は普通鋼で、板厚は胴板9mm・鏡板12mm、タンク寸法は直径1,960mm・長さ8,000mmであった。
 タンク体にある横一直線の溶接跡が目を引くが、メーカーである飯野は造船業の傍ら貨車を製作したため、タンク体製作の際、造船用の大型プ

レスを活用して鋼板を長手方向に丸めたことから、横方向に長い溶接跡が同社製タンク車の特徴となっている。
 台枠は平形で、寸法は長さ,800mm、BC間距離5,500mmであった。ブレーキはKD254形空気+手、台車はTR41Aから第一次台車改造でTR41Dとなった。

 落成時の所有者は八幡製鉄KK・常備駅は西八幡であった。昭和31年9月の化学部門分社により八幡化学工業KK所有となり、昭和45年5月の八幡−富士の大合併で新日本製鉄化学工業KKとなった。各種のタール系化学品輸送に用いられたため運用の特定は困難だが、写真は越中島へ粗製メチルナフタリンを運んで来た際のもの。昭和59年12月に2両揃って廃車となった。


タサ1050形1050の写真

【写真27】 タサ1050形1050 昭和49年4月18日 越中島駅にて P:吉岡心平


【第27週】010304作成、021121本文修正、040114R4、050414R4A、080209本文修正、090504R4BY、140116R4C。