吉岡心平のマーク

タ1000形1032

私有貨車

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タ900形
▼タ1100形

 番号
[ロット表]


タ1046

 ページ
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特別編598
特別編600

積荷
●構造

入口


 タ1000形は昭和3年の大改番で11トン積の石油類専用車を纏めた形式だが、中には戦後製の新製車も存在した。
 戦後、東洋レーヨンでは戦災貨車の台枠転用により、自社で消費する濃硫酸とカセイソーダ液のタンク車を製作した。まず手持ちタンクを活用したため半端な荷重となったタム1700・タ2600形が登場し、昭和23年後半には新品タンク体を用いた15トン積のタム400・900形に移行すると共に、製品も自家用から外販中心となった。続いて石油系タンク車への展開を試みたが、この第一号製品が今回紹介するタ1000形である。

 タ1032は昭和24年7月東洋レーヨンで、1031〜33の3両ロットの一員として製作された。資料では、トム19000形20395の台枠を使用したとされる。

 タンク容積は11.5m3で、要はタム900形向に製作したタンク体を石油類に転用したもののようだ。全体の作りは初期のタム900形に準じ、タンク帯金も4本あるが、荷役方式は吐出管を用いた下出し方式となった。
 余談だか、同社製タンク車で斬新だったのは、タンク受台の構造だ。一見すると受台は中央寄りに小形のものが片側当り2個あるように見えるが、実はこれに加えてタンク体先端下部に小形のものが装備されていた。変っていたのは受台の固定先で、通常と異なりタンク側に固定され、円弧形状となった受台下面と台枠表面との間が摺動する構造となっていた。

 所有者は昭和石油KK・常備駅は浜川崎であった。落成から4ケ月後の11月に東新潟港に移った後は移動せず、昭和47年7月に廃車となった。


●関連形式 タ11000形11036(特別編467)   昭和24年東洋レーヨン製の次ロットでマルロ車に改番されたもの。
        タム20900形20950(特別編265) 昭和23年東洋レーヨン製、旧タム950、有蓋車台枠利用の例。
        タ2000形2002(特別編287)     10トン積アルコール専用車、タム900形972の改造車。


【特別編599】050610作成R4A、070913リンク追加+R4A2、090112R4BY。

タ1000形1032の写真

【写真1599】 タ1000形1032 昭和43年8月24日 直江津駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】