吉岡心平のマーク

タ900形900

私有貨車

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タ600形
タ1000形

 番号
ロット表


タ921

 ページ
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特別編408
特別編410

積荷
●構造

入口


 たまには昔に帰って、リベットゴツゴツのタンク車を紹介しよう。

 タ900形は10トン積のガソリン専用車で、昭和7年に2両、昭和12年に20両が製作された。弊サイトでは既に全溶接のタンク体を持つ12年製のグループを紹介したが、今回は鋲接タンク体の7年生まれを紹介しよう。

 タ900と901は昭和7年9月日車製である。ガソリン専用車は前年にタム500形が登場していたから、いまさら10トン車でもない・・と言う、悲しい星の生まれであった。
 タンク体は鋲接で、ドーム廻りなどなんとも古めかしいが、センタアンカ式のタンク固定は、流石に

昭和7年製にふさわしい構造だ。タンク受台やターンバックル式の帯金は、当時の日車製の標準プラクティスである。
 台枠は戦前製の通例として、側梁に150mmチャンネルを使っているので、弱々しい。走り装置は、軸距が長い割にはシュー式であった。

 所有者は海軍燃料廠KK・常備駅は徳山であった。軍所有車の通例として、終戦後暫くは行方不明となったが、紆余曲折を経て三菱商事KK所有・新興駅常備となり、廃糖蜜輸送に転用された。往時に比べれば落魄した身だが、僚車のタ901が戦災廃車となったのに比べれば、幸せだったのかもしれない。ヨンサントウ直前の昭和43年9月に廃車となった。


【特別編409】030809作成、031231R4、050425R4A、070604R4A2、090212R4BY、090702ロット表R3追加。


タ900形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
900,901 S0709 日車本店 海軍燃料廠
902〜921 S1207〜1208 新潟 日本石油KK

タ900形900の写真

【写真1409】 タ900形900 昭和43年5月1日 高島駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】