吉岡心平のマーク

タキ11250形11251

私有貨車

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タキ11200形
タキ11300形

 番号
ロット表


タキ11253

 ページ
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特別編557
特別編559

●積荷
●構造

入口


 今回はタンク車輸送の退潮期と重なったため数の少ない、化成品輸送用のキセ付38系の例を取り上げる。

 タキ11250形32トン積アセトアルデヒド専用車は昭和57年〜平成3年に6両が日車・富士重で製作された。
 そもそも低沸点かつ有毒なアセトアルデヒドを輸送するタンク車は、設計思想から2つのグループに大別される。ひとつは断熱性能を向上させて長時間・低温に保って輸送するもの、ふたつ目はタンク体の耐圧を高く設計し、安全弁動作圧力を高めることで、液温が上昇しても漏洩しないようにしたものであった。
 従来量産されていたタキ9250形は後者だが、本形式は前者の系統に属し、異径胴を採用することで更に2トンの増積を可能にしたものである。

 タキ11251は昭和57年3月日車製で、11250〜52からなる3両ロットの一部であった。

 タンク体は38系には珍しく普通鋼製だが、これは耐候性高張力鋼に含まれる銅を積荷が嫌ったためである。タンク寸法は両端直径1,800mm・中央直径2,200mm、長さ13,140mmと細身だが、これは保冷性能向上のため、厚さ150mmに達するグラスウール断熱材をタンク周囲に設置したためだ。
 荷役方式は積荷が有毒かつ引火性のため、タンク上部の液出入管を用いた窒素加圧による上出し方式であった。タンク上部にある大型のプロテクタには、配管類・弁装置・温度計挿入用サヤ・圧力計取付用元弁などが収められている。
 台枠は38系標準の中梁省略形で、長さは14,400mm、ブレーキ装置は手+積空、台車は軽荷重車用のTR225−2であった。

 所有者は日本陸運産業KK・常備駅は越中島であった。駅名は平成2年3月に旅客駅と区別するため越中島「貨物」駅となり、平成19年10月に廃車となった。


●同一専用種別 タキ6850形6855 ドーム付タンク体、昭和41年三菱製。

           タキ6850形6856 同様で昭和42年三菱製。

          タキ9250形9263 ドームレスタンク体、昭和43年富士重製。

           タキ9250形9271 同様で昭和51年川崎製のロット。


■主要諸元
製造年   昭和57年3月
製造所   日車
設計比重 0.78
タンク容積 41.0m3

●上廻り
タンク形態 異径胴(F3)形ドームレス
タンク材質 普通鋼
タンク板厚 胴板9mm・鏡板12mm
タンク両端直径 1,800mm
タンク中央直径 2,200mm
タンク長さ 13,140mm
熱絶縁 クラスウール厚さ150mm
●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式
●下廻り
台枠形式   38系標準
長さ      14,400mm
BC間距離  11,000mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KSD180−254形積空
台車      TR225−2形

タキ11250形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
11250〜11252 S5703 日車 日本陸運産業KK
11253 S5710 日車 日本陸運産業KK
11254,11255 H0306 富士重 ダイセル化学工業KK

タキ11250形11251の写真

【写真1558】 タキ11250形11251 平成7年5月6日 新崎駅にて P:吉岡心平


【特別編558】050103作成R4、050412R4A、050707ロット表追加、060911ロット表R2、070831ロット表R3+R4
A2、071218本文修正、080719R4BY、110108R4B。