吉岡心平のマーク

ホキ5600形5642

私有貨車

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ホキ5500形
ホキ5700形

 番号
ロット表

ホキ5633
ホキ5660

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特別編346
特別編348

積荷
●構造

入口


 今回はリクエストにお答えして、カーバイト専用車について紹介しよう。

 ホキ5600形は35トン積カーバイト専用車で、昭和38年7月のホッパ車改番でホキ5200初代形を改称して誕生した。この時ホキ5600〜51の52両が改番されたが、その後昭和42年までに22両が増備され、合計74両となった。

 ホキ5642は、もともと昭和37年3月日立製のホキ5242で、5235〜44から成る10両ロットに属していた。
 このロットは昭和電工としては初めての35トン車で、外観と構造は、前年に作られたホキ250形336〜38初代を、大型化したものである。設計比重は0.95・ホッパ容積は36.9mであった。
 車体は平底の箱型で、隔壁により独立した4室に4等分され、ホッパ材質は普通鋼で、板厚は側・妻・隔壁・屋根は6mm・底板は8mmであった。

 荷役方法は屋根から自重で積込み、両側から人力で取卸す方式で、屋根には部屋当たり1個、計4個の円形積込口が、側面には部屋当たり両側面で2個の取出口があった。何れも防水のため二重構造で、写真に見えるのは外側のカバーである。また水分で爆発性のアセチレンガスが発生するため、シリカゲルを内臓した吸湿筒や窒素封入用の配管などを装備していた。
 台枠は平台枠で、長さは10700mm・BC間距離は7,400mm、台車はTR41Cであった。

 所有者は昭和電工KK・常備駅は鹿瀬であった。同地の水力発電による電力で焼成したカーバイトを、塩化ビニルの原料用として鶴見線の大川にある工場へ輸送していた。鹿瀬工場は昭和40年代に子会社化され、鹿瀬電工KKとなったが、貨車は昭電所有のままであった。石油化学への転換によるカーバイトの地位喪失で、昭和47年3月に廃車となった。


【特別編347】030213作成、031219R4、050429R4A、060102リンク追加、071027R4A2、081016R4BY。

ホキ5600形5642の写真

【写真1347】 ホキ5600形5642 昭和46年3月26日 塩浜操駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】