|
タキ10250形10250 |
私有貨車 |
○ |
形式 |
番号 |
▲ |
ページ |
●積荷 |
■入口 |
タキ10250形と言われてピンと来る方は少数に違いない。今回はこのように影の薄いタキ10250形と、その誕生に潜む秘話を取り上げる。 ヨンサントウの貨物列車スピードアップでは、不適格車は国鉄から強制廃車を命令された。当然の事ながら持主は反発し、最終的には廃車の代償として国鉄が賠償金を支払うことで決着した。タール製品取扱業協同組合でも、不適格とされたタム3250形を廃車したため、賠償金を手にすることになった。これにより製作されたのが、今回紹介するタキ10250形なのである。 タキ10250形は35トン積シクロヘキサン専用車で、昭和42〜46年に川崎で3ロット3両が製作された。 |
本来ならベンゾール専用車を新製するのが筋だが、これでは1ロット1両で高価となる。そこで丁度製作するところだったタキ7250形アルコール専用車を1両増やして製作し、これをベンゾール輸送に転用することにしたのである。即ち、本形式は生まれついての転用車なのだ。シクロヘキサンなる専用種別は、タキ7250形の体格に合わせて決めたもので、根拠後付けの好例に他ならない。 所有者はタール製品取扱業協同組合、常備駅は上戸畑であった。写真1はこの時代で、お約束通りベンゾール仮専用として使用中の姿である。昭和53年10月、常備駅は西八幡に異動した。昭和54年1月には日本陸運産業KK・西八幡駅常備となった。写真2はこの時代の姿である。昭和60年11月に廃車となった。 |
|
|
■主要諸元 製造年 昭和42年12月 製造所 川崎 設計比重 0.78 タンク容積 44.8m3 ●上廻り タンク形態 異径胴(C3)形ドームレス |
タンク材質 耐候性高張力鋼 タンク内面 ジンケートA塗装 タンク板厚 胴板6・鏡板8mm タンク両端直径 2,050mm タンク中央直径 2,500mm タンク長さ 10,910mm ●荷役方式 荷役方式 上入れ下出し式 |
●下廻り 台枠形式 35系標準 長さ 11,210mm BC間距離 8,210mm 留置ブレーキ 両側 空気ブレーキ KSD254−305形積空 台車 TR41C形 |
ロット | 番号 | 製造年 | 製造所 | 落成時の所有者 |
1 | 10250 | S4212 | 川崎 | タール製品取扱業協同組合 |
2 | 10251 | S4509 | 川崎 | タール製品取扱業協同組合 |
3 | 10252 | S4612 | 川崎 | タール製品取扱業協同組合 |
【写真1256の1】 タキ10250形10250 昭和50年3月3日 大牟田駅にて P:吉岡心平