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アルコールタンク車の系譜平成14年10月11日修正 |
私有貨車 研究所 Lv2 |
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■アルコールタンク車のはじまり タサ3000形 我国でアルコールの大量輸送が始まったのは、国策により自動車用ガソリンへ混用されるようになってからである。これに応じて製作されたのがタサ3000形20トン積ボギー車で、我国初のアルコール専用車として、昭和13年から昭和16年にかけて80両が製作された。また同様の車両が10両、台湾向にも製作されている。 |
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▼タサ3000形3000 【特別編73】 昭和13年8月新潟製。 |
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▼タサ1000形1012 【特別編110】 昭和19年1月新潟製のタサ3081を昭和23年に改造した車両。タサ3000形時代は保冷キセを持っていた。 |
■戦争によるドサクサ 開戦によりアルコールの需要は急増し、昭和17年10月には敵産管理法で接収されたタキ1・50形ガソリン専用車をアルコールに専用種別変更し、それぞれタキ500・600形とした。これ等がアルコール専用30トン車の嚆矢だが、戦後元の所有者に返還されると、形式番号はそのままでガソリン専用に復元されてしまった。 |
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▼タキ500形502 【特別編106】 P:堀井純一 昭和17年10月にタキ1形3を専用種別変更した車両。 |
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▼タキ600形603 【特別編228】 P:堀井純一 昭和17年10月にタキ50形53を専用種別変更した車両。 |
■30トン車の登場 タキ3500形 戦後初の増備として、昭和25年に20トン積のタサ3200形が製作されたが、僅か3両に終わった。 |
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▼タキ3500形3530 【第95週】 昭和34年7月川崎製。 タンク容積が約一割大きく、タキ3000形と同一のグループ。 |
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▼タキ3500形3535 【特別編232】 昭和34年10月富士重製。 協和発酵工業KKの所有者で、タキ3500形179両では唯一、内外輸送KK以外が所有する車両であった。 |
■ステンレス内貼り車の登場 昭和33年、積荷の純度保持のため、接液面をステンレスとしたアルコール専用車が登場した。当時はステンレス材のコストが高かったため、普通鋼製のタンク内面にステンレス薄板を貼り付けた。タキ7200形がそれで、トップナンバーはタキ3500形の改造だったが、2両目以降は新製車となった。8両が製作されたが、後には化成品輸送用に転用され、7206、07には遮熱キセが追加されている。 |
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▼タキ7200形7205 【特別編118】 昭和34年7月富士重製。 |
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▼タキ7200形7207 【特別編118】 P:堀井純一 昭和34年7月富士重製。 タキ7205と同一ロットだが、後天的改造により保冷キセを追加した車両。 |
■35トン車の出現 タキ7250形 99系のアルコール専用車が製作されなかったため、35系の一員として昭和42年に誕生したタキ7250形が、初めて35トン車となった。昭和46年までに7250〜7299,17250〜17299,27250〜27264の115両が川崎・富士重・飯野で製作されている。 |
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▼タキ7250形7291 昭和44年7月川崎製 両側ブレーキ装備の35系フェーズB。 |
■ステンレス製タンクの採用 タキ13700形は、タキ7250形のタンク体をステンレス製にしたもので、昭和44〜49年に30両が製作された。本来はウイスキーなど高級蒸留酒の積載用だったようだが、晩年は各種の化成品輸送に活用されていたようである。現時点では昭和49年2月に製作された13720〜29が、最後のアルコール専用車で、38系タンク車のアルコール版は、結局製作されずに終わっている。 |
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▼タキ13700形13721 昭和49年2月富士重製 TR41E装備の35系フェーズC。 |
平成13年10月24日 修正。 平成14年10月11日 修正。 |
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