吉岡心平のマーク

タキ9200形9209

私有貨車

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タキ9150形
タキ9250形

 番号
ロット表

タキ9204
タキ9218

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第231週
第233週

●積荷
●構造

入口


 タキ9200形は、我国タンク車の中でも屈指の大型車である。
 アスファルトは常温で固体のため、加熱溶融状態で輸送するが、着地での荷卸し時には低粘度化のため高温を必要とする。このため通常の蒸気加熱管ではなく、タンク内部に設置された焔管に可搬式オイルバーナーを取付け、焔により加熱する。
 初のアスファルト専用車として、昭和36年に登場したタキ8900形30トン車は、バーナー加熱時のタンク変形で苦労した。そこで次ロットからは設計を変更し、合せてタキ50000形で開発されていたプラクティスを導入することで、サイズを1.5倍に大型化した45トン車となったのである。

 タキ9200形は、45トン積アスファルト専用車で昭和36〜43年に24両が日車の本支店で製作された。

 タキ9209は昭和37年6月日車本店製で9208〜16からなる9両ロットの一員であった。

 タンク体は普通鋼製で、直径は2,050mm・長さは16,000mmと大型で、周囲には厚さ70mmのグラスウール断熱材と薄鋼板からなる断熱材があった。またタンク内部には焔管、鏡板部には煙突をそれぞれ装備していた。
 ところが昭和40年代に、積荷を従来のストレートアスファルトから軟化点の高いブローンアスファルトに変更したため、加熱温度をより高める必要が生じ、加熱した油で加熱する「オイルヒーティング改造」を受けた。このためシンボルだった煙突は撤去され、焔管があった部分は平板で塞がれた。
 台枠は平形で、長さは18,120mm・BC間距離は14,120mmとこれまた大型である。ブレーキは大型車特有のASD形積空+手、台車はTR78であった。

 所有者はシェル石油KK・常備駅は塩浜であった。写真のように浜安善駅を基地として使用されていたが常備駅変更はなく、昭和53年2月に廃車となった。


●同一専用種別 タキ8900形8903 昭和36年日車本店製で、30トン車。

           タキ11700形11700 昭和43年川崎製で、45トン積の3軸ボギー車。


■主要諸元
製造年   昭和37年6月
製造所   日車本店
設計比重 0.9
タンク容積 50.0m3

●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形2ドーム付
タンク材質 普通鋼
タンク板厚 胴板9・鏡板12mm
タンク直径 2,050mm
タンク長さ 16,000mm
熱絶縁   厚さ70mmグラスウール
付帯設備 油加熱管
●荷役方式
荷役方式 上入れ上・下出し式
●下廻り
台枠形式   平形
台枠長さ   18,120mm
BC間距離  14,120mm
緩衝器    油圧式
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ U254−356形積空
台車      TR78形

タキ9200形9209の写真

【写真232】 タキ9200形9209 昭和49年2月27日 浜安善駅にて P:吉岡心平

この写真は吉岡写真CD−ROM第8巻に「P00428」として収録されています。


【第232週】050206作成R4、050413R4A、050626リンク追加、051101リンク追加、070625R4A2、080927
R4BY、131021諸元追加+R4C。