吉岡心平のマーク

タム900形1012

私有貨車

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タム800形
タム1700形

 番号
[ロット表]

タム1006
タム1025

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第154週
第156週

積荷
●構造

入口


 今回紹介するのは、タム900形の中でも、比較的数少ない新製車のひとつである。

 タム900形15トン積カセイソーダ液専用車の出自については、既にいくつかのページで紹介したので詳しくは述べないが、タム200形からの転用と、戦災復旧車が大半を占め、新製車は珍しい。

 タム1012は昭和26年10月川崎製で、同社で初製作のタム900形である。日立製の1013〜15と競作された。
 川崎が本格的にタンク車の製作を開始したのは戦後であり、基本設計として石油系はタキ3000形、化成品系はタ2700形と、それぞれ国鉄所有車のものをモチーフとした。このため本車や、それに先立って製作されたタム200形などは、タ2700形に良く似た奇妙なカタチのタンク受台構造を、そのまま踏襲している。

 タンク体は普通鋼製で、直径1,550mm・長さ6,500mmと細くて長い。加熱管・キセなどは一切なく、シンプルな構造である。
 台枠は平形で、長さ7,400mm・軸距4,200mmと大型だ。同時期に製作されたタム200形は、本形式よりタンク体の長いにも拘らず、台枠長さは7,050mmしかないのだから、なにか曰くがありそうだ。走り装置は落成時の1段リンク式から、ヨンサントウで2段リンク式に改造された。

 落成時の所有者は日本レイヨンKK・常備駅は宇治だったが、翌年3月には大樹寺駅常備となった。その後、会社名はユニチカKK、常備駅は専用線の付替により北岡崎となった。昭和47年7月にはタム993、994と共に服部商店KKに売却され、浜小倉駅常備として大阪曹達KKの製品輸送に使用された。写真はこの時代の姿である。昭和52年12月に廃車となった。


●関連形式 タム200形282 S2510川崎製で、同じタンク受台を採用。


タム900形1012の写真

【写真155】 タム900形1012 昭和52年2月13日 浜小倉駅にて P:吉岡心平


【第155週】030817作成、040522R4、050428R4A、070824R4A2、090614R4BY、130727R4C。