吉岡心平のマーク

タム200形282

私有貨車

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タム100二代形
タム300形

 番号
[ロット表]

タム279
タム283

 ページ
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特別編9
特別編11

積荷
●構造

入口


 二硫化炭素はレーヨン製造に用いられるため、わが国化成品のタンク車輸送では濃硫酸・希硫酸に次ぐ古い歴史を持っている。

 タム200形15トン積二硫化炭素専用車はその中心的存在として、昭和7〜37年にかけて117両が製作(二代目・他形式からの改造を含む)された。
 四国化成工業KKはこのうちタム229、276、277、279、280、282、290、297、299の9両を所有していたが、229から282までの6両は大日本紡績、290は大和紡績からの移籍車で、四国化成が自ら製作したのは297、299の2両だけであった。ここでは大日本紡績からの移籍組としてタム282を紹介しよう。

 タム282は昭和25年10月川崎で279〜282からなる4両ロットとして誕生した。

 設計比重は1.27・タンク容積は11.8mであった。
 タンク体は普通鋼製で、寸法は直径1,550mm・長さ6,700mmであった。周囲にはロックウール50mm断熱材と薄鋼板からなる保冷キセがあり、川崎製のキセ付タンク車の特徴として、帯金をキセの外側に巻いていた。タンク受台には戦争中の「応急タンク車」の影響が見られる。

 台枠は平形で、長さは6,700mm・軸距は4,000mm、走り装置は1段リンクからヨンサントウで2段リンクに改造された。? 落成時の所有者は大日本紡績KK・常備駅は西大垣であったが、その後タム279、280と本車は昭和35年2月に四国化成工業KKに移籍した。なお残るタム281は木津硫炭KKを経て昭和工業KK所有となっている。このロットでは最後まで生き延びた車両で、平成7年2月に廃車となっている。


【特別編10】010106作成、040807R4、040810リンク追加、050515R4A、050517本文修正、070831R4A2、090114R4BY。

タム200形282の写真

【写真1010】 タム200形282 昭和60年12月27日 益田駅にて P:吉岡心平