吉岡心平のマーク

タキ6400形6414

私有貨車

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タキ6350形
タキ6450形

 番号
解説

タキ6412
タキ6425

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第121週
第123週

積荷
●構造

入口


 今回は箱型車体が珍しいタキ6400形アルミナ専用車を取り上げる。

 タキ6400形は35トン積アルミナ専用車で、昭和32〜44年に6400〜49,16400〜24の75両が製作された。一部にタキ7400形からの改番車があるが、番号や理由については参考文献を参照頂きたい。

 タキ6414は昭和35年6月日立製で、第3ロット(6414〜18)の一員であった。本形式は一見するとホッパ車に見えるが、真空吸引により荷卸しするため車体底面には取出口がない。このためホッパ車ではなく、タンク車に類別された。
 なお、同社は自社で私有貨車を保有する以前から、国鉄貨車をレンタルし、これに専用の輸送容器を固定して使用していた。中でもチキに搭載されたタキ2000形ライクの円筒形容器は有名で、参考文献でも写真を掲載したが、その後の研究で箱型の容器もあったことが判明した。浦賀ドック製とされるこの容器とタキ6400形との関係については、今後の研究課題の一つとなっている。

 閑話休題、タンク体は普通鋼製の箱型で、屋根

は山形であった。車体周囲は鋼製アングルで補強されている。外観では判らないが側面・妻面の下半分は内側に傾斜し、取卸しの際にアルミナ粉末が残り難いようになっていた。
 荷役は積込・荷卸しをすべて屋根にある荷役口から行なう。荷役口は上下二段になっており、積込は6ケ所ある小型の上蓋から行なう。一方取卸しは2個ある長さ4.2mに達する大型の下蓋を開き、真空吸引ホースをタンク内に挿入して行なう。なお下蓋は重たいため、バランサーにより開閉を容易としていた。
 台枠は取出口がないため魚腹型としたが、このような例は私有タンク車では極めて珍しい。デッキが無いためブレーキは側+空気で、台車は通常のTR41Cであった。

 所有者は昭和電工KK・常備駅は新興であった。同社は、輸入したボーキサイトからアルミナの製造と、アルミナの電解精錬による金属アルミの製造とを、前者は臨海工業地帯の新興、後者は水力電源地帯の喜多方・塩尻と分離していた。本形式を始めとするアルミナタンク車はこの間の輸送用で、中央線の貨物列車では名物だったようである。昭和53年11月に廃車となった。


■参考文献 私有貨車セミナー第88回(レイルマガジン207号)


タキ6400形6414の写真

【写真122】 タキ6400形6414 昭和49年4月2日 高島駅にて P:吉岡心平

この写真は吉岡写真CD−ROM第21巻に「P01201」として収録されています。


【第122週】021229作成、030727リンク追加、040128R4、050227R4A、051219リンク追加、070713R4A2、
080112リンク変更、090217R4BY、100418R4B。