吉岡心平のマーク

タキ1700形1709

私有貨車

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タキ1650形
タキ1800形

 番号
ロット表

タキ1705
タキ1711

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第13週
第15週

積荷
●構造

入口


 希硫酸とは、国鉄の内規では比重1.59未満(濃度では約70%)のものとされるが、中にはこれより大きいものもある。今回紹介した東邦亜鉛の所有車もその一つだ。

 タキ1709は1707〜10の一員として、昭和27年11月日車本店で製作された。30トン積の希硫酸専用車で、外観は当時製作されていたタキ1400形カセイソーダ液専用車に酷似していた。

 設計比重は1.62で、本来なら濃硫酸とすべき値だ。タンク体は普通鋼製だが、希硫酸は鉄を腐食するので、内面は厚さ3mmの鉛ホモゲン処理が施されていた。このため車体には「連結注意」の標記が見られる。タンク寸法は直径1,884

mm・長さ6,870mmで、タンク体はタキ300形で低比重向のものよりむしろコンパクトである。
 荷役方式は空気圧による上入れ上出し方式で、ドームに見える小さな配管が液入れ・液出し管である。落成当初はカセイソーダ液専用車のようなS字管が装備されていたが、腐食が著しいため後年撤去された。
 台枠は平形で、長さは8,600mm・BC間距離は5,000mmと短い。台車はTR41Dだが、これは昭和45年からの第一次タンク車台車改造で、元々のTR41から改造されたものである。

 所有者は一生を通して東邦亜鉛KK・常備駅は安中であった。写真を撮影した8ケ月後の昭和49年12月に廃車された。


■主要諸元
製造年   昭和27年11月
製造所   日車本店
設計比重 1.62
タンク容積 18.5m3
●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドーム付
タンク材質 普通鋼
タンク板厚 胴板9・鏡板12mm
タンク内面 厚さ3mm鉛ホモゲン
タンク直径 1,884mm
タンク長さ 6,870mm
●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式
●下廻り
台枠形式   枕梁間側梁省略形
長さ      8,600mm
BC間距離  5,000mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KD254形
台車      TR41形

タキ1700形1709の写真

【写真14の1】 タキ1700形1709 昭和49年4月17日 安中駅にて P:吉岡心平

タキ1700形1704の写真

【写真14の2】 タキ1700形1704 昭和49年4月17日 安中駅にて P:吉岡心平

こちらは昭和27年6月日立製で、タンク体が丸みを帯び、タンク受台の形状も異なる。


【第14週】001203作成、011019リンク追加、020824リンク追加、021205本文修正、040214R4、050414R4A、
071231R4A2、080811R4BY、091221諸元追加+R4B。